ディスク容量の節約や「旧バージョンはもう使わない」などの理由で、古いバージョンのVisual Studioを完全にアンインストールしたい場合がある。これをできるだけ手間なく実施する方法を紹介する。
2017年3月8日、ついにVisual Studio 2017の正式版がリリースされた(いわゆるRTM)。早速インストールしたいところだが、その前に古いVisual Studio 2013や2015、2017のプレビュー/RC(リリース候補)版を完全にアンインストールしてから行いたいという人も少なくないだろう*1。
*1 ただしVisual Studio 2015以前のバージョンでないと開発できない機能もあるので注意してほしい。Visual Studioはサイドバイサイドで新バージョンと旧バージョンを共存できるので、どちらも必要な場合は両方をインストールしておけばよい。
しかしVisual Studioのアンインストールは非常に手間がかかり面倒くさい。最初にインストールするときにはオプションを選ぶだけで簡単にインストールできるのだが、セットアップされた各機能のインストーラーはバラバラになっているため、アンインストールはそれら1つ1つを手動で実行する必要があるからだ。[コントロール パネル]−[プログラムのアンインストール]を開いて、[プログラムのアンインストールまたは変更]ページを表示してみてほしい。図1のように、大量のVisual Studio関連プログラムが列挙されるはずだ。
これらを手作業で1つずつアンインストールしていくのは、はっきりいって時間のムダ使いである。本稿ではこれを軽減する方法を紹介する。なお、本稿で説明するのは、「手元のローカルマシン」を対象にしたVisual Studio 2013以降の古いVisual Studioのほぼ完全アンインストールについてである。
冒頭で示した問題はマイクロソフトも認識しており、これを解決するための公式ツールがGitHub上で提供されている。まずはこのツールの最新版(TotalUninstaller.zipファイル)を下記のリンク先からダウンロードしてほしい(図2)。
ダウンロードしたら、トップページの説明(英語)に従って以下のように実行すればよい。
(1)ダウンロードしたTotalUninstaller.zipファイルを任意の場所に展開する
図3に示すSetup.ForcedUninstall.exeファイルが、完全アンインストーラー(コンソールアプリ)だ。
(2)コマンドプロンプト(cmd.exe)あるいはPowerShellを管理者権限で起動し、Setup.ForcedUninstall.exeファイルを実行する
図4は、コマンドプロンプトではなくPowerShellを管理者権限で起動して、Setup.ForcedUninstall.exeファイルを実行しているところだ(このように必ずしもコマンドプロンプトでなくても実行はできる)。
(3)アンインストールされるVisual Studioのバージョン名が列挙されるので、最終確認に「Y」と答える
筆者の環境では、図5のようにVisual Studio Ultimate 2013とそのUpdate 4、Visual Studio Community 2015とそのUpdate 3がアンインストールされる旨が表示された。これらを完全にアンインストールしてよければ[Y]キーを、そうでなければ[N]キーを押す。これは最終確認であり、後戻りはできないので、慎重に判断し、自己責任で先に進めてほしい。
(4)完全アンインストールが実行され、場合によっては最後に再起動が促される
筆者の環境では図6のようにアンインストールが進んだ。1時間程度はかかった。残念ながら、一部で「exit code: 1603」のエラーが返されたが、それでもほぼ全てが正常に全自動でアンインストールできた。
ちなみに、筆者の場合は再起動が不要だったが、ここで再起動が要求される場合もある。
(5)失敗したアンインストールは手動でアンインストールする
筆者の場合は、幾つかアンインストールに失敗していたので、コントロールパネルの[プログラムのアンインストールまたは変更]ページを開いて、手動でアンインストールも行った。AzureツールやTypeScriptツールなど、アンインストールを取りこぼしていたのもあったので、それぞれ手動で全てアンインストールした(図7)。本来ならこの手間は不要だと思われる。
Visual Studio 2017のインストール
以上の手順で、古いVisual Studio環境が完全にアンインストールできたら、最新のVisual Studio 2017をインストールしてみよう(図8)。
Visual Studio 2017のインストーラーやIDEについては、ぜひ「特集:Visual Studio 2017の全貌を探る:軽量インストーラーとIDEに見られるVisual Studio 2017の進化 - @IT」を参照してほしい。
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