「Windows 10 Creators Update」、2017年4月11日から順次提供開始 どんな機能が追加されるのか4月5日「先行提供」の手段も

Windows 10の大型アップデート「Windows 10 Creators Update」の正式公開日が決定。2017年4月11日から順次提供が開始される。また、上級ユーザー向けに4月5日から先行提供する手動アップデートの手段も用意する。

» 2017年03月31日 12時00分 公開
[@IT]

 米マイクロソフトは2017年3月29日(米国時間)、2017年春予定としていたWindows 10の大型アップデート「Windows 10 Creators Update」を2017年4月11日から順次提供を開始すると発表した。

 Windows 10 Creators Updateは、「クリエーターの支援」を念頭に置き、機能を拡充させた。クリエーターとは、デザイナーやイラストレーター、アーティスト、プログラマーといった専門職だけでなく、会社を興す、授業の計画を立てる、製品やサービス、ビジネスを開発する、事業に投資する、ゲームを開発する、ゲームを配信する、複合現実で新しい世界を描き出すといった「何かを創造していく、皆さん全員のことを指している」とマイクロソフトは述べている。

 Windows 10 Creators Updateでは、この創造力を支援する3D制作、複合現実、ゲーム配信といった新機能の他、標準ブラウザ「Microsoft Edge」の新バージョン、セキュリティ機能、プライバシー保護機能など、新たな機能や強化されたツールが用意される。Windows 10 Creators Updateで追加された主な新機能を以下に抜粋する。

3DとMR機能の強化

 3Dオブジェクトをゼロから作成できる新アプリ「Paint 3D」が追加される。色を変えたり、テクスチャを貼ったりすることで、2D(2次元)の一般的な画像を容易に3D化できる。

photo 3Dオブジェクトを作成できる「Paint 3D」

 この他Creators Updateでは、MR(Mixed Reality:複合現実)による没入型コンテンツの創造を支援する機能も拡充される。MRに対応した「Windows Mixed Reality開発キット」を用意し、エイサー、アスース、デル、HP、レノボなどのパートナー各社から「Windows Mixed Reality対応ヘッドセット」が2017年内に発売される見通しだという。

「Beam」によるリアルタイムのストリーミング視聴、参加、チャット、交流の提供

 Creators Updateでは、ゲームをプレイしたり、プレーヤー同士が交流を深めたり、情報を共有したりする「楽しむための方法」を拡充させている。それらは、Windows 10上でも、「Xbox One」上でもシームレスに連携される。

photo ゲーム実況機能「Beam」

 例えば、ゲーム実況機能である「Beam」が標準搭載される。Beamは、ゲームのプレイ画面を簡単にストリーミング配信できる機能で、コミュニティー間の交流やチャットなども可能となっている。

「Microsoft Edge」は、より高速、安全、快適なブラウジングとエンターテインメント機能を提供

 標準ブラウザ「Microsoft Edge(以下、Edge)」には例えば、新たなタブ管理機能「タブプレビューバー」が追加される。タブプレビューバーはウィンドウの最上部に表示でき、サムネイルのタッチやスワイプ、マウスホイール操作でタブを素早く切り替えられる。

photo Edgeの新たなタブ管理機能「タブプレビューバー」

 この他、Windowsストアから直接電子書籍を購入し、Edge上でシームレスに読める機能も搭載される。Edgeでは、Netflixやネット配信型テレビ番組の4K解像度再生にも対応する。

「ブルーライトカット」「子どもの使用時間管理」などの機能も実装

 ディスプレイから発せられるブルーライトを軽減するように調整できる「Night Light」機能が新たに搭載される。

 小さなウィンドウを常に前面に表示させておく「Mini View」機能も備わる。別の作業をしながらの動画再生、Skypeでの会話、音楽プレイヤーの操作などの利便性を高められる。

 また、子どものいる家庭では、Windows 10の「画面表示時間制限機能」が広く利用されているが、Creators Updateでは、Xbox Oneでもそれに似た制御が可能になった。この機能により、XboxとPCで「ゲームをする時間」などを保護者が簡単に管理できるようになる。

セキュリティ機能とプライバシー保護機能を強化

 Creators Updateでは、使用しているデバイスのセキュリティ、正常性、オンラインの安全性を確認する「Windows Defenderセキュリティセンターダッシュボード」が追加された。

photo セキュリティとプライバシー保護の強化に寄与する「Windows Defenderセキュリティセンター」

 さらに、使用しているデバイスの正常性に関する情報を確認できる「Device Health Advisor」、アプリのインストールを細かく制御できる機能など実装し、「より安全」に利用できるようになる。

いち早く導入したいユーザー向け施策も

 Creators Updateは、Windows Updateを通じて提供される。トラフィックの混雑を避けるべく、アップデートの提供は数段階に分けて行われる。まず、Creators Updateのテストに参加したハードウェアパートナーの製品を優先させ、そこで得られたフィードバックを基に提供デバイスを順次追加していくという。

 また、なるべく早くアップデートを導入したいと考える上級ユーザー向けに、手動でアップデートを行う手段も用意する。こちらは「Windows 10 Update Assistant」を通じて、2017年4月5日に先行して提供を開始する。

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