Google Apps Scriptで繰り返しと条件分岐を組み合わせて、データの仕分けを自動化するExcel VBAプログラマーのためのGoogle Apps Script入門(6)(1/2 ページ)

Googleが提供するGoogle Apps Script(GAS)のプログラミングで、Google Apps(主にスプレッドシート)を操作する方法を解説していく連載。今回は、条件分岐とfor文を組み合わせた少し複雑な処理について解説する。 また、for文以外の繰り返し処理についても、その使い方を解説する。

» 2017年04月13日 05時00分 公開
[薬師寺国安PROJECT KySS]

「繰り返し」と「条件分岐」を組み合わせる、少し複雑な処理。でも便利

 本連載「Excel VBAプログラマーのためのGoogle Apps Script入門」では、Googleが提供する「Google Apps Script」(GAS)のプログラミングで、「Google Apps」を操作する方法を「Google Sheets」(スプレッドシート)を中心に解説していく。

 前回の「Google Apps Scriptで配列と繰り返し処理を使い、データの加工を自動化する」では、Google Apps Scriptの「配列」の扱い方と「繰り返し」(for文)の使い方について解説した。

 今回は、前々回の「JavaScriptの条件分岐の基本をGASのmsgBox、inputBoxで学ぶ」で学んだ「条件分岐」とfor文を組み合わせた少し複雑な処理について解説する。

 また、for文以外の「繰り返し」についても、その使い方を解説する。

for文とif文を組み合わせる

 まずは、図1のようなシートがあったとして、表で点数が65点以上の科目の「判定」欄に「◎」を表示させてみよう。

図1 科目別の平均点が入力されたデータ

 ツールメニューから「スクリプトエディタ」を起動する。開いたエディタ画面から「ファイル」→「新規作成」→「スクリプトファイル」と選択して、「条件分岐1」というファイルを作成する。「条件分岐1.gs」内に、リスト1のコードを記述する。

function myConditionalbranch1Function() {
  var sheet=SpreadsheetApp.getActiveSheet();
  var values=sheet.getRange("B3:B10").getValues();
  var value={};
  var count=values.length;
  for(var i=0 ;i <= count-1 ; i++)
  {
    value[i] = values[i]
    if(value[i] >= 65)
    {
      sheet.getRange(i+3,3).setValue("◎");
    }
  }
}
リスト1 点数が65点以上の判定に「◎」を表示するコード

 リスト1のコードを解説しておこう。配列を使用している。「getRange("B3:B10").getValues」で範囲内にある点数を取得して、変数valuesに格納する(3行目)。この場合は、点数は配列として格納されている。

 配列変数valueを宣言し(4行目)、取得したデータの個数はlengthプロパティで取得して、count変数に格納しておく(5行目)。

 6〜13行目で、反復変数「i」でデータの個数分反復処理を行っている。

 その過程で、配列に格納されている値が、「65」に等しいか、それより大きかった場合は(9行目)、シート3行目の3列目の「判定」欄にsetValueメソッドで「◎」を表示させる(11行目)。

 6行目でcountを-1しているのは、配列の添え字は「0」から開始するが、データの数を取得するlengthプロパティは「1」からのデータの個数を取得するので、そのままcountを使用すると、取得するデータの個数が1個多くなり空白を取得してしまうからだ。

 実行結果は図2のようになる。

図2 点数が65点以上の場合は、「判定」欄に「◎」が表示されている

for文とif〜else文を組み合わせる

 次に、65点より低い点数には「×」を表示させてみよう。

 「スクリプトエディタ」から「条件分岐2」というファイルを作成する。「条件分岐2.gs」内に、リスト2のコードを記述する。

function myConditionalbranch2Function() {
  var sheet=SpreadsheetApp.getActiveSheet();
  var value={};
  var values=sheet.getRange("B3:B10").getValues();
  var count=values.length;
  for(var i=0 ;i <= count-1 ; i++)
  {
    value[i] = values[i]
    if(value[i] >= 65)
    {
      sheet.getRange(i+3,3).setValue("◎");
    }else{
      sheet.getRange(i+3,3).setValue("×");
    }
  }
}
リスト2 65点より低い点数のデータには「×」を表示させるコード

 解説は、リスト1とほとんど同じだ、65点より低いという意味で「else」の後に、「×」を表示させる記述を追加するだけだ。

 実行結果は図3のようになる。

図3 点数が65点かそれ以上の場合は「◎」、それ以外は「×」が表示されている

for文とif〜else if〜else文を組み合わせる

 次は、65点以上の場合「◎」、点数が50点以上で65点より低い場合は「○」、それ以外は「×」を表示させてみよう。

 「スクリプトエディタ」から「条件分岐3」というファイルを作成する。「条件分岐3.gs」内に、リスト3のコードを記述する。

function myConditionalbranch3Function() {
  var sheet=SpreadsheetApp.getActiveSheet();
  var value={};
  var values=sheet.getRange("B3:B10").getValues();
  var count=values.length;
  for(var i=0 ; i <= count-1 ; i++)
  {      
    value[i]=values[i]
    if(value[i] >= 65)
    {
      sheet.getRange(i+3,3).setValue("◎");
    }else if(value[i] >= 50 && value[i] < 65){
      sheet.getRange(i+3,3).setValue("○");
    }else{
       sheet.getRange(i+3,3).setValue("×");
    }
   }
}
リスト3 65点以上の場合「◎」、50点以上で65点より低い場合は「○」、それ以外は「×」を表示させるコード

 やっていることはリスト2とほとんど変わらない。点数が65点以上の場合は「◎」、点数が50点以上で65点より低い場合は「○」を表示して、それ以外の場合は「×」を表示させている。

 複数の条件全てを満たすことを表すには、JavaScriptでは「&&」演算子を使用する(12行目)。

 実行すると図4のようになる。

図4 点数が65点以上の場合は「◎」、50点以上で65点より低い場合は「○」、それ以外の場合は「×」を表示させている
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