「あー、これは大体こういう感じね」。新しい仕事をするとき、大枠をざっくりと把握できたらやりやすくなると思いませんか?――それがエンジニアの「基礎力」です。
進化が早いIT業界では、経験のない技術やプログラム言語を学ばなければならないことが多いものです。そのたびに、「また、新しい言語を覚えなくちゃいけないのかよ。めんどくさいなー」と、技術の習得にストレスを感じていませんか?
もし、「あー、この技術は大体こういう感じね」と、早い段階で大枠をざっくりと把握できたら、それほどストレスを感じなくて済むかもしれませんし、「これは便利そう」「面白そう」と、技術の習得に興味が湧いてくるかもしれません。
その肝となるのが、「基礎力」です。基礎力が身に付くと、初めて触れる技術やプログラム言語でも、概略が直感的に分かるようになります。また、技術職以外でも、エンジニアの経験を生かせ、今まで以上に仕事が楽しくなります。
でも、どうやったら「基礎力」が身に付くのでしょうか?
「基礎力」の話に入る前に、私が「あのおかげで、エンジニアの基礎力が身に付いたな」と思った経験をお話しさせてください。1999〜2001年ごろのお話です。当時私はプログラマーで、あるシステム開発会社に常駐していました。
当時のシステム開発と言えば、クライアント/サーバ型のシステムが一般的で、開発言語はC言語やVBなどが主流でした。
そんな時代に、一緒に仕事をしていたKさんが、次のシステム開発のプログラム言語に選んだのが「Java」でした。
Kさんは、新しい技術やプログラム言語への関心が高い優れたシステムエンジニアでした。早い段階から「Write once, run anywhere(1度書けばどこでも動く)」という理念の下に作られたJavaの可能性に期待を寄せていて、事前に調べたり、コードを書いて試したりしているようでした。
当時日本ではまだ、Javaの黎明期だったと思います。けれどもKさんは「Javaは面白いよ。書き方はC言語とあまり変わらないから、C言語が分かる竹内ならできると思う。今度の開発、Javaでやってみない?」と言います。
私は「分かりました」と答えました。けれども、心の中では「また新しい言語覚えなくちゃいけないのかー。めんどくさいなー」と思っていました。
けれども、仕事ですし……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.