IDC Japanが2021年までの国内ビッグデータおよびアナリティクスソフトウェア市場予測を発表。今後2021年までに年平均8.4%の高成長率で推移し、市場規模は約3420億円に達すると予測した。
IDC Japanは2017年6月8日、国内ビッグデータおよびアナリティクスソフトウェア市場の2016年実績と2021年までの市場予測を発表した。
調査対象の製品カテゴリーは、分析情報管理・統合基盤、BI(Business Intelligence)・分析ツール、パフォーマンス管理・アナリティクスアプリケーションなど。2016年の同市場規模は、対前年比8%増となる2282億6000万円だった。クラウド型のデータウェアハウス(DWH)ソリューションの成長が前年度から継続したことに加え、大手企業におけるオンプレミス型DWHの大規模投資が重なった。企業の多くは、クラウドとオンプレミスを併存するデータアナリティクス環境を利用しているとIDC Japanは位置付けている。
この傾向は2021年まで堅調に推移するという。IDC Japanは、2017〜2021年までの同市場のCAGR(Compound Annual Growth Rate:年間平均成長率)を8.4%と推定し、2021年には3419億800万円まで市場規模が拡大すると予測した。
今後のビッグデータ・アナリティクス関連ソフトウェアの投資意向は、徐々に企業の「デジタルトランスフォーメーション(DX)」に向けたものに移行していくと予測される。例えば、Apache Hadoopなどの基盤を用いたNoSQL型データ基盤や、コグニティブ/AI(Artificial Intelligence:人工知能)のための統合基盤、コンティニュアス(継続的)アナリティクスソフトウェアなどが市場の拡大をけん引していくという。
IDC Japanのソフトウェア&セキュリティグループでマーケットアナリストを務める草地慎太郎氏は、「オンプレミスとパブリッククラウドが混在したデータアナリティクス環境が一般化する中で、今後想定される課題としては、データのサイロ化を防ぎ、システムそれぞれの可搬性を、ガバナンスとセキュリティを保った上で実現していくことが求められてくる。ITサプライヤーには、ハイブリッドクラウド環境を前提とし、データのライフサイクルを管理し、かつ品質も担保するデータ管理ソリューションを的確に提供していくことが求められるようになる」と提言した。
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