ニューロスペースは、個人の睡眠データの計測や解析に向けた「睡眠解析プラットフォームβ版」の運用を開始する。吉野家と同プラットフォームの実証実験も進める。
ニューロスペースは2017年10月11日、「睡眠解析プラットフォームβ版」の運用を開始すると発表した。同プラットフォームは、各人に最適な睡眠改善ソリューションを提供するための、個人の睡眠データの計測や解析に向けたシステム基盤。同時に同プラットフォームの実証実験も開始し、これには吉野家が参加する。
睡眠解析プラットフォームは、「各人の睡眠状態を計測する機器」「取得した睡眠データを評価するアルゴリズム」「睡眠状態の解析結果から最適な睡眠改善ソリューションを提案する機能」の3つの要素で構成されている。
ニューロスペース独自の睡眠センシング技術を応用して計測機器を開発。同社によると、従来の計測機器では正しい睡眠ソリューションを提供することが不可能とのこと。例えば、体動を指標にした既存の睡眠計測機器は、覚醒やノンレム睡眠、レム睡眠といった睡眠ステージの判定精度に限界があった。また脳波の計測機器には特殊な測定環境が必要になる。ニューロスペースが開発した機器では、こうした問題を克服したとしている。
睡眠解析アルゴリズムは、AI(人工知能)を活用することで、個人差を考慮してソリューションを提供できるようになった。従来の解析アルゴリズムでは複雑な生活スタイルや時差などに悩む人々に、最適な睡眠ソリューションを提供できなかったという。
睡眠解析プラットフォームは、社員の健康増進や生産性向上を志向する企業や、睡眠ビジネスへの参入を検討する企業がAPIを通じて外部から利用できる。このAPIを利用することで自社サービスやIoT(Internet of Things)製品などに、睡眠改善ソリューションを組み込めるという。
吉野家と進める実証実験では、吉野家のシフト勤務者に対して睡眠計測機器を配布して、モバイル機器向けのアプリで睡眠ソリューションを確認できるようにするという。1カ月間の睡眠状態を計測し、それに基づく改善行動の提案やシフト調整などを通じて、本プラットフォームの有効性を実証するとともに機能改善を図るとしている。
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