デルとEMCジャパンは、「ひとり情シス」を抱える中堅企業に向けて、情報交換コミュニティーやITを習得するプログラムなど新たなサービスの提供を開始する。「ひとり情シス コミュニティ」サイトや「ひとり情シス大学」などを開く。
デルとEMCジャパンは2017年10月20日、2016年から中堅企業(100人以上、1000人未満)を対象に調査してきた、「ひとり情シス」の実態を分析し、その結果を踏まえて情報交換コミュニティーやITを習得するプログラムなど新たなサービスの提供を開始すると発表した。
具体的には、「ひとり情シス コミュニティ」サイトの開設、「ひとり情シス大学」の開校、ひとり情シスを可視化して業務をサポートする「可視・定額型サポートメニュー」、ひとり情シス向け「終活ソリューション」という4つのサービスを提供する。
ひとり情シス コミュニティは、デルのユーザーが登録できるコミュニティーサイトで、2017年10月20日に開設。登録者は、コミュニティーサイトのQ&Aで抱えている問題を質問して解決策を得たり、情報収集を行ったりできる。将来的には、ユーザー会も開催する予定だという。
ひとり情シスとして「就任」し、実際に「運用」業務が行えるようになるまでを支援するひとり情シス大学は、18科目90講座の初級編と12科目60講座の応用編で構成される予定だ。デルのユーザーは無料で登録でき、ビデオ講座を通じて、情シスの業務に必要な知識を学ぶことが可能。各科目の講座を受けた後に、習熟試験を実施し、点数により単位を授与するとしている。
Webサイトは2017年10月20日にオープンしており、「自社環境把握」と「ITリテラシー」の2科目から3講座を限定で公開している。2018年4月から初級編の講座を順次追加していく予定だという。
可視・定額型サポートメニューは、業務内容が多岐にわたるため、不明確になりがちな情シスの業務を可視化し、業務1つ1つを定額でサポートするサービス。ひとり情シスは、このサービスを使うことで、一部の業務を切り出してDell EMCに依頼が可能。突発的に発生する業務に素早く対応したり、業務の負荷を減らしたりすることができる。
同サービスは、2017年10月26日開催の「Tokyo Dell EMC Forum 2017」で、具体的なサポートメニューと価格を公開、提供開始予定だという。
就活ソリューションは、ひとり情シス環境下で、情シスが休んだり、異動や転職、長期離脱といった事態が起こったりしても、現在のIT環境を維持することを目的としたサービス。陳腐化しがちな構成図といったシステム関連ドキュメントの最新化や、システムおよびデータを復旧する仕組みなどを提供する。
今後は、業務SLA(Service Level Agreement)の確保や資産管理適正化、IT人材確保、「攻めのIT」を実現するためのサポートを提供していくとしている。
Dell EMCが中堅企業を対象に行った調査内容は、IT投資動向調査、バックアップ関連調査、仮想化動向調査で、次のようなIT課題が明らかになったとしている。
デルのインフラストラクチャ・ソリューションズ事業本部広域営業部で部長を務める木村佳博氏は、「調査によると中堅企業の27%がひとり情シスの状態にある。原因となっているIT人材不足は、今後ますます深刻化すると見られ、経済産業省の『IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果(2016年6月)』の内容を加味すると、3年後には36%まで拡大する見込みだ」と現状を分析。Dell EMCは、こうした中堅企業が直面するさまざまな課題に対して今回発表した4つのサービスなどで解決策を提示し、さらなる変革の支援を推進するという。
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