CIOに求められるのは、労働力の転換を見越して人員計画を立て、ビジネスとそのニーズの変化に効果的に対応できる人材パイプラインを構築することだ。
ガートナーの米国本社発のオフィシャルサイト「Smarter with Gartner」と、ガートナー アナリストらのブログサイト「Gartner Blog Network」から、@IT編集部が独自の視点で“読むべき記事”をピックアップして翻訳。グローバルのITトレンドを先取りし「今、何が起きているのか、起きようとしているのか」を展望する。
仕事の世界が流動化している。世界中で仕事の未来や、将来、企業が求職者を全て雇っても十分に採算が取れるほど仕事があるかどうかをめぐり、議論が巻き起こっている。
個人的にはわれわれは皆、「さまざまな動向がわれわれの仕事にどう影響するのか」「われわれの未来はどのようなものになるのか」「次の世代の働き方はどうなるのか」が気掛かりでならない。
ITリーダーは、職業人として「仕事がどう変わるのか」を見通す必要がある。的確に技術戦略を計画し、どのようなITスキルが必要かを把握し、IT業務が職務経験として高く評価されるようにし、ビジネス戦略へのITリーダーの全体的な影響を広げるためだ。
Gartnerの調査によると、CIOやビジネスリーダー10人のうち8人近くは「10年後には、自らの組織のメンバーが持つスキルや知識は、現在とは似ても似つかないものになるだろう」という見方で一致している。
少なくとも向こう10年間は、仕事の主役は人間であり、人工知能(AI)やスマートマシンは人間の才能や能力を拡張する役割を果たすだろう。だが、その先はどうなるのか。
Gartnerのリサーチディレクターを務めるヘレン・ポワトヴァン氏は、CIOが注目すべき労働市場の動向を3つ挙げている。
ロボボス(ロボット上司)が一般的になり、物理的な職場がビーコンとセンサーのネットワークでスマートになり、仮想パーソナルアシスタント(VPA)が仕事のパートナーになる。Gartnerは、2022年までに、主に非定型業務に携わるワーカーの5人に1人は、AIに頼って仕事をするようになると予測している。
ドバイでは2016年までに、9万人のワーカーがフリーランスネットワーク「Nabbesh」に登録していた。2017年には米国のワーカーの36%がフリーランサーだった。仕事の再構築が進む中、内部および外部労働市場で仕事を見つけ、兼業する従業員が増加する。
ほとんどの仕事で、既存技術と新技術の活用のニーズが急速に高まっている。だが、リーダーや従業員の継続的なスキル向上を支援する組織的な取り組みは、ほとんど行われていない。
「こうした動向が重なり、われわれの仕事の在り方(われわれがどこで、いつ、何のために、誰と仕事をするか)は変わるだろう。これらの動向は全て、2022〜2026年に大きな流れとして定着すると予想される。人事部門とIT部門は連携し、そうした中で進む労働力の転換を見越して計画を立てなければならない」(ポワトヴァン氏)
CIOやITリーダーは、状況に応じて即座に判断を下す必要がある日々のオペレーションの管理に時間を取られ、人員の能力の配分計画や開発が二の次になっていることが多い。ポワトヴァン氏は、「このように、これらに振り向ける時間や注意が足りないと問題が起こる」と指摘する。
効果的な人員計画の策定、実行が必要となっている。それは、ビジネスの方向転換やその背景にあるニーズの変化に効果的に対応できる人材パイプラインを構築することだ。
Gartnerは、仕事の未来に備えて、CIOが以下を行うことを勧めている。
出典:How CIOs Can Prepare for the Future of Work(Smarter with Gartner)
Senior Manager Public Relations
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