活用の幅が広がる「AR/VR」、2017〜2022年の市場における年平均成長率は71.6%の見通し――IDC高成長が続き、企業の関心も増大

IDCの最新予測によると、世界AR/VR市場の2017〜2022年の年平均成長率は71.6%となり、2018年のAR/VR製品およびサービスの売上高は前年比92%増の270億ドルに達する見通しだ。

» 2018年06月04日 08時00分 公開
[@IT]

 IDCは2018年5月31日(米国時間)、世界での拡張現実(AR)/仮想現実(VR)市場動向の最新予測を発表した。2017〜2022年の年平均成長率は71.6%の見通しだ。2018年のAR/VR製品およびサービスの売上高は、前年比92%増の270億ドルに達すると予想されている。

 業種別の売上高を見ると、2017〜2022年の予測期間を通じて、「消費者製品およびサービス向け」がAR/VR市場で最大の割合を占め、2022年には530億ドルとなる見通しだ。これに「小売り」「組み立て製造」「運輸」が続き、2022年のこれら3業種向け合計売上高は560億ドルに達すると予想されている。

 ユースケース別に見ると、2018年は「VRゲーム」が最大となり、売上高は70億ドルになる見込みだ。また、2017〜2022年の予想年平均成長率が最も高いのは「小売り販売」で、119.3%に達する見通しで、次いで高成長が予想されているのが、「ラボおよびフィールド」「映画およびTVアミューズメント」だ。2018年の新しいユースケースとしては、「公共インフラ保守」や「教育用360度動画」などがある。

 技術カテゴリー別の売上高では、2018年は「ホストデバイス」が100億ドルで最大となる見通しだ。2位は「VRソフトウェア」の57億ドルである。また、2017〜2022年の年平均成長率が最も高いと予想される技術カテゴリーは「ARビュワー」で141.6%となる見込み。「ARシステム統合」「AR顧客アプリケーション開発」がこれに続く。

 地域別に見ると、2017〜2022年の予想年平均成長率が最も高いのは「米国」で、99.1%に達する見通しだ。「中東」と「アジア太平洋(日本を除く)」もこれに近い成長率を記録し、「中南米」がわずかな差で続くと予想されている。2018年の売上高が最も高いと予想されるのは「中国」で、102億ドルの見通し。その技術カテゴリー別の内訳は、ホストデバイス、VRソフトウェア、「ARソフトウェア」が上位3つを占める。

 IDCのデバイスおよびAR/VR担当バイスプレジデントのトム・メーネリ氏は、「ARとVRへの企業の関心は引き続き高まっている。新しいハードウェアが出荷され、改良されたソフトウェアが登場し、ユースケースも進化しているからだ。米国のIT意思決定者を対象としたIDCの最近の調査によると、極めて多くの企業がARとVRの両方をテストしている。主要な業界プレイヤーが2018年を通じて、次世代型のARおよびVRエクスペリエンスを提供開始し、企業の導入意欲も高まる一方だろう」と解説する。

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