65歳が定年だと考えられていたこれまでの時代、私たち40代は「成熟した大人」でした。50代が近づくにつれ、そろそろ定年を意識し始め、「もう、これぐらいでいいかな」と考える人もいました。また、「この後をいかに無難に過ごすか」「いかに逃げ切るか」を考えてもおかしくはない年代でした。
けれども、「人生100年時代」といわれる今、40代はまだ人生前半です。というより、これから「成熟した大人になる」といってもいいかもしれません。
でも、私たちが今まで生きてきた「人生80年時代」の価値観のまま40、50代を過ごすと、いざ65歳になって「はい、定年です」と会社から放り出されたとき、お金や生きがいの面でかなり厳しい状況に置かれてしまうのではないか……と、最近よく思います。だって、定年後の人生があと35年もあるんですよ。怖っ!
超少子高齢化を迎える今、年金もどれだけもらえるか分かりませんし。
労働力人口が急激に減っていくこれからは、これまでとは異なり、年齢を重ねても働く機会や、経験を生かせる機会が増えます。それに備えるためにも、これからの40代は、「働き方の理想」を改めて描き、「今、何をすべきか」を考え、「今、できること」をしていくことが大切なのではないでしょうか。
若いころはいろんな夢や希望があったし、ないなりにも「○○になれたらいいな」という理想がどこかしらにありました。
けれども、年齢を重ね、経験を積むと「仕事というのは、人生というのは、大体こんなものだ」というのがつかめてきます。そのため、改めて理想は描かなくなるものです。
でも、「人生80年時代」の価値観のままだとちょっとヤバそう。
そこで、40代の今、改めて「将来、どんな大人になりたいか?」を考えてみてはどうでしょうか。
私には今、理想があります。それは、「やりたいことを見つけよう」として見つけたというよりも、どちらかと言えば、「嫌だな、辞めたいな」「でも、辞めても仕方がないしな」「辞めるなら、今できることをやってからにしよう」といった、どちらかといえば、ネガティブなことの繰り返しによって手に入ったものでした。
ですから、「会社、辞めたいなぁ」と思うこと自体は悪いこととは思いません。それをきっかけに「働き方の理想」を改めて考えればいいのですから。
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