AIが回答精度を高めて運用を支援――日立がチャットbotサービスを販売開始オペレーターへの問い合わせ件数が20%減った例も

日立製作所は、「チャットbotサービス」を販売開始する。FAQや業務シナリオなどから適切な回答を自動的に返す。人工知能を活用して、回答精度を高める機能も備える。

» 2018年06月28日 11時15分 公開
[@IT]

 日立製作所は2018年6月27日、問い合わせ対応業務の効率化を支援する「チャットbotサービス」を販売開始すると発表した。対話型botによる業務改革や新たな価値の創出を支援するデジタル対話サービスの第一弾と位置付ける。

 チャットbotサービスは、チャットによる問い合わせに対して、企業内に蓄積されている業務ナレッジを基に作成したFAQ(Frequently Asked Questions)や業務シナリオなどから適切な回答を自動的に返す。

 これまでの一般的なチャットbotのサービスでは、FAQの登録や業務シナリオの作成など、事前準備に時間がかかっていた。また、回答精度を高めるためには人手によるFAQや辞書データの継続的な更新が必要で、運用の負荷に課題があった。

 チャットbotサービスでは、同社が開発したAI(人工知能)を活用して、回答精度を高める機能を備える。これによって、問い合わせに対応するヘルプデスクやコンタクトセンターの業務負荷を軽減することに加え、24時間対応やサービス品質の向上を支援するとしている。

 さらに、チャットbotサービスは一問一答の「QA対話」と、業務シナリオに沿って会話を進める「シナリオ対話」、回答に必要な情報が不足している場合に質問者への聞き返しによって情報を補う「誘導型対話」の3つの対話方式を備えている。質問に応じて対話方式を切り替えることで、自然な対話を可能にしているという。

チャットbotサービスの概要図(出典:日立製作所)

 日立製作所では商用化に先立ち、同社グループの日立マネジメントパートナーで2017年11月から2018年3月にかけて試行運用を実施したという。グループ内の年末調整に関する問い合わせに対して、従来のオペレーターによる電話やメールでの対応に加え、チャットbotを並行して運用したところ、オペレーターへの問い合わせ件数が前年度に比べて20%減少したとしている。

 なお日立製作所では、FAQや業務シナリオの作成、試行運用による導入効果の検証、業種ごとの業務に応じたカスタマイズや回答精度を高めるためのチューニングなど、チャットbotの導入と運用も支援する。企業が利用している業務システムと連携したチャットbotの構築も可能で、業務システムの照会や変更、登録といった運用作業をチャットbotに代行できる。

 価格は個別見積もりで、提供開始は2018年7月20日からの予定だ。

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