Microsoftは、Pythonの静的型チェック機能を提供する「Visual Studio Code」(VS Code)のプラグイン「Pyright」をオープンソースのMITライセンスで公開した。
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Microsoftは2019年3月21日(米国時間)、Pythonの静的型チェック機能を提供する「Visual Studio Code」(VS Code)プラグイン「Pyright 1.0.0」をオープンソースのMITライセンスで公開した。同23日には多数のバグを修正した「Pyright 1.0.1」を公開している。
Pyrightは、「mypy」のような既存のPython型チェッカに存在する難点に対処する目的で開発された。特徴は次の通り。
Microsoftによれば、Pyrightは、Pythonで書かれたmypyなどの型チェッカよりも5倍以上高速だという。Pyrightの想定用途は、大規模なPythonソースコードの型チェックだ。“ウォッチ”(監視)モードで動作し、ファイルの変更を検知すると、高速な差分更新を実行する。
PyrightはTypeScriptで記述されており、ノード内で動作する。PyrightをインストールするためにPython環境や、サードパーティーパッケージのインポートは必要ない。これは、拡張のランタイムとしてノードを使用するVS Codeとともに使う上で特に好都合だ。
Pyrightでは、柔軟に構成を行い、設定をきめ細かく制御できる。ソースコードのさまざまなサブセットごとに異なる“実行環境”を指定することもできる。各実行環境で異なるPYTHONPATH設定、Python言語のバージョン、ターゲットプラットフォームを指定することが可能だ。
Pyrightは次のPEP(Python Enhancement Proposal)などをサポートする。
Pyrightは、Typeshedに由来するstdlib型スタブの最近のコピーを含んでいる。Typeshed型スタブの他の、例えば、より最近の、または変更されたコピーを使うように構成することもできる。ユーザープロジェクトに含まれるカスタム型スタブファイルにも対応する。
Pyrightはコマンドラインツールと、VS CodeのLanguage Server Protocolプラグインを含んでいる。
Pyrightは、次の言語サービス機能を提供する。
Pyrightは現在、Python 3.0以降をサポートしており、今のところ、Python 3.0より前のバージョンをサポートする計画はない。
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