Pythonで「Hello World」プログラムを3つ作りながら、Pythonプログラムを構成する要素や、Pythonの特徴を見てみよう。
* 本稿は2019年4月5日、2021年7月9日、2022年4月22日に公開/改訂された記事を、Python 3.11.5で動作確認したものです(確認日:2023年9月11日)。
プログラミングの入門では、「Hello World」と呼ばれるプログラムを作成するものと決まっている。Hello Worldプログラムを書くことで、それに使用したプログラミング言語の特徴が自然と見えてくるからだ。そこで、本連載でも本格的な解説に入る前に、Hello Worldプログラムを幾つか書き、それらについて調べてみよう。そこからPythonプログラムを構成するさまざまな要素が見えてくる。
一番簡単なHello Worldプログラムは次のようになる。
print('Hello World')
前回紹介したProject Jupyterの[Try Jupyter]ページで[Jupyter Notebook]リンクをクリックすると、Jupyter NotebookがWebブラウザに表示されるので、[File]メニューから[New]−[Notebook]をクリックし、[Select Kernel]ダイアログでは[Pyolite]を選択して、Python環境(ノートブック)を開いたら、セルに上のプログラムをコピー&ペーストしてみよう。
そして、プログラムをセルに入力して、[Run]ボタンをクリックする。
すると、プログラムが実行される。これにより、プログラムを入力したセルの下に「Hello World」と表示されるはずだ。
「Hello Worldプログラム」とはこのように「画面にHello Worldと表示する」プログラムのことだ。では、このプログラムを構成する要素を見てみよう。
このプログラムには大きく2つの要素がある。
print関数とは「引数(ひきすう)に受け取ったものを画面などに表示(出力、print)」するために、Pythonに標準で組み込まれている「関数」の1つだ。Pythonにおける「関数」は数学の関数に似たもので、「引数に何かの値を渡すと、その値を基に何らかの計算を行い、その結果を返す」ような動作をする。print関数では「何らかの計算」と「その結果」が「画面に表示する」に相当する。
関数に引数となる値を与えて、その結果を得るには、「関数名に続けてかっこを書き、その中に引数となるものを記述」する。上のコードでは、print関数の引数として'Hello World'が渡されている。これを「引数に'Hello World'を指定してprint関数を呼び出す」のように表現する(この結果、セルの下に「Hello World」と表示されている)。
この'Hello World'は、Pythonの「文字列」だ。「文字列」とは「文字が連なったもの」のことで、ここでは「H」「e」……「l」「d」という1つ1つの文字が連なって「Hello World」という文字列を構成している。文字列であることはシングルクオート「'」で囲んで示す(ダブルクオート「"」も使える)。プログラミングの世界では、ユーザーに何かを伝えたり、ファイルにテキストを保存したりするなどの目的で文字列を使用する。
難しく書いたが、このプログラムは要するに「Hello Worldとprintしろ」という命令を実行していると考えればよい。本連載では、今後もprint関数をよく使うことになるが、何かを画面に表示したければprint関数を使うと覚えておこう。また、Pythonには言語標準で多数の関数が用意されているし、他にも前回に述べた「標準ライブラリ」や「外部ライブラリ」を活用することで、より多くの機能を利用できるようになる。
今見たHello Worldプログラムでは2つのプログラム構成要素が出てきたが、これだけだとPythonの言語的な特徴がまだよく見えない。そこで、もう少し難しい例を見てみよう。
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