Microsoftは、新しいExcel関数「XLOOKUP」を発表し、β版を提供開始した。「VLOOKUP」や「HLOOKUP」の後継となる関数だ。併せて「XMATCH」関数も発表した。
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Microsoftは2019年8月28日(米国時間)、「VLOOKUP」関数の後継となる新しいExcel関数「XLOOKUP」を発表し、「Office Insider」プログラムの参加者にβ版の提供を開始した。今後数カ月間、最適化を行うという。
VLOOKUPの歴史は長い。1985年にリリースされた「Excel 1 for Macintosh」に含まれている関数であり、Microsoftによれば現在でも「SUM」「AVERAGE」に次いで3番目によく使われているという。
XLOOKUPは垂直(Vertical)方向に検索(Look Up)するVLOOKUPと、水平(Horizontal)方向に検索(Look Up)する「HLOOKUP」を兼ねた働きを持つ。つまり垂直と水平の両方向に検索する関数だ。
最も簡単な検索形式では、3つの引数を取り、その場合、最もよく使われる完全一致検索を実行できる。このとき、必要な引数の個数がVLOOKUPより1つ少ない。
XLOOKUP(検索値, 検索範囲, 戻り値の配列)
XLOOKUPで高度な検索を行うには、第4引数(一致モード)と第5引数(検索モード)を使う。構文は次のようになる。
XLOOKUP(検索値, 検索範囲, 戻り値の配列, [一致モード], [検索モード])
一致モードでは、どのように一致するのかを指定できる。オプションは次の通り。
検索モードでは、検索の種類と方向を指定できる。オプションは次の通り。
Microsoftは、今回の発表について次のように説明している。
「VLOOKUPは広く使われてきたが、次のようなよく知られた制約がある。XLOOKUPはこれらの制約を克服した」
MicrosoftはVLOOKUPとHLOOKUPを、Excelで引き続きサポートする。だが、これらの代わりにXLOOKUPを使うことを強く推奨している。XLOOKUPはより使いやすく、先述したような制約がないからだ。
MicrosoftはXLOOKUPとともに、「MATCH」関数の後継となる「XMATCH」関数も発表した。β版提供と一般公開のスケジュールはXLOOKUPと同じ。
XMATCHは、以下のようにXLOOKUPと同様の引数を取り、一致した項目のインデックスを返す。
XMATCH(検索値, 検索範囲, [一致モード], [検索モード])
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