アジャイルやDevOpsを導入し、要求の厳しいビジネスニーズに迅速に対応できるようにするためには、組織として継続的デリバリー(CD)の文化を身に付ける必要がある。このための5つのステップを紹介する。
ガートナーの米国本社発のオフィシャルサイト「Smarter with Gartner」と、ガートナー アナリストらのブログサイト「Gartner Blog Network」から、@IT編集部が独自の視点で“読むべき記事”をピックアップして翻訳。グローバルのITトレンドを先取りし「今、何が起きているのか、起きようとしているのか」を展望する。
アリアン(仮名)はある大手メーカーのIT担当者。アプリケーション開発に携わっている。ここ数カ月、顧客とビジネス部門の要求に迅速に応えようと、アプリケーションの変更に追われていた。ユーザーのフィードバックを踏まえてアプリケーションを頻繁に更新したり、市場の新たな変化やビジネス戦略の見直しに対応した開発を行ったりしなければならなかった。
アリアンはこうした中で、継続的デリバリー(CD)プロセスを構築する必要性を理解した。CDは、チームが短いサイクルで有用なソフトウェアの作成を繰り返すとともに、ソフトウェアをいつでも確実にリリースできるようにするソフトウェアエンジニアリングのアプローチだ。
「CDを実現するには、エンジニアリングにおける規律とコラボレーションにより、コードのコミットから本番環境へのリリースまでのデリバリーパイプラインの完全な自動化を促進する必要がある」と、Gartnerのバイスプレジデントでアナリストのビル・ホルツ氏は説明する。
さらにホルツ氏は、高いアジリティー(俊敏性)で高品質のアプリケーションを提供するには、アジャイルやDevOpsを単に実践するだけでは不十分だと付け加える。アジャイルやDevOpsの取り組みがどこまで進んでいるかにかかわらず、IT担当者は以下のステップを踏むことでCDを実現できる。
高品質なソリューションのCDを実現するために、以下の取り組みにより、継続的な学習を習慣化し、仕事を効率化して無駄を減らす。
CDに取り組む中で、3つの重要施策を講じる。これらの施策と、その実施上の考慮点を以下に示す。
「スクラム」「カンバン」「スクラムバン」は、アジャイルプロセスやプラクティスの実践としては不十分だ。これらは、それぞれ目標が異なる管理フレームワークであり、使用可能で有用なソフトウェアを提供する方法のガイダンスは提供しない。
以下の2つの取り組みを通じて、アジャイルの成熟した実践を図っていく。
開発、セキュリティおよびデータ管理、インフラ&オペレーション(I&O)チームは、ソリューションをより迅速に提供しなければならないというプレッシャーの増大に直面している。環境の構築と構成に数日間、数週間、さらには数カ月間かかっても許されていた時代は遠い過去になった。
DevOpsは、これらのチームがアプリケーションの更新頻度を上げるのに役立つ。アジャイルの価値とプラクティスの効果を増幅するからだ。だが、DevOpsチームが成功を収めるには、以下ができることが必要になる。
このステップに到達したら、IT担当者は幾つかの高度な課題に取り組むべきだ。これらの取り組みを成功させるには、アジャイル開発やDevOpsの成熟したプラクティスが必要になる。
出典:5 Steps to Master Continuous Delivery(Smarter with Gartner)
Director, Public Relations
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.