Microsoft Azureにおいて、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)のBYOS(Bring Your Own Subscription)対応のゴールドイメージが利用可能になりました。これにより、Azure Marketplaceなどでは、ゴールドイメージから簡単かつ自動化された方法でRHEL仮想マシンを展開できるようになります。
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Red Hat Enterprise Linux(RHEL)のBYOS(Bring Your Own Subscription)イメージ(別名、RHELゴールドイメージ)とは、オンプレミス環境で所有するRHELサブスクリプションをAzure IaaS上のRHEL仮想マシンに適用し、追加のRHELプレミアム料金(RHELおよびサポート料金)の加算なしで、無料のLinux仮想マシンと同等のコアコンピューティング料金で仮想マシンを実行できるものです。RHELのBYOSイメージは2019年5月からプレビュー提供されてきましたが、2020年1月17日に一般提供が始まりました。
これまでのAzure Marketplaceでは、RHELプレミアム料金が加算された従量課金制(Pay-As-You-Go)イメージのみが利用可能でした(画面1)。プレビュー開始以前にBYOSでRHEL仮想マシンを利用するためには、オンプレミスに展開した既存のRHELサブスクリプションを、Red Hat Cloud Accessプログラムを通じてAzureのBYOSに移行する必要がありました。
BYOSイメージが利用可能になったことで、AzureポータルのAzure MarketplaceやAzure CLI(Command Line Interface)、Azure PowerShellを使用して、Azureで利用可能になったBYOSイメージからRHEL仮想マシンを簡単に展開、実行、更新できるようになります。
RHELのBYOSは、有効なソフトウェアアシュアランス(SA)付きのWindows Serverライセンスを所有する場合、Windows Server仮想マシンに適用できる「Azureハイブリッド特典」に相当するものです。Windows Server仮想マシンの場合は、Azure MarketplaceのWindows Serverイメージから仮想マシンを作成する際に、Azureハイブリッド特典の使用を適用することができます(画面2)。
一方、RHELのBYOSイメージは、Red HatのカスタマーポータルでRed Hat Cloud AccessでのAzureサブスクリプションを構成することで、Azure Marketplaceにプライベートオファー(オファー名:rhrl-byos)としてAzure側で直接的に利用可能になります(画面3)。
つまり、RHELサブスクリプションを持たない場合は、Azure MarketplaceやAzure CLI、Azure PowerShellからBYOSイメージにアクセスすることはできません。詳しくは、AzureおよびRed Hatの公式ドキュメントで確認してください。
岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(2019-2020)SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『ITプロフェッショナル向けWindowsトラブル解決 コマンド&テクニック集』(日経BP社)。
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