正社員のテレワーク実施率は13.2% パーソル総合研究所が調査業務自体がなくなった人は全体の1%

パーソル総合研究所が実施したテレワークについての調査結果によると、正社員のテレワーク実施率は13.2%。テレワークを希望しているが、できていない人の割合は33.7%。テレワークを実施していない理由は、制度やIT環境の不整備が多かった。

» 2020年03月24日 08時00分 公開
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 パーソル総合研究所は2020年3月23日、新型コロナウイルスの感染拡大対策のテレワークへの影響についての調査結果を発表した。それによると、テレワークを希望しているが、できていない人の割合は33.7%。テレワークが命令または推奨されている割合は、東京圏が32.7%、名古屋圏が17.4%、大阪圏が20.2%だった。

 調査結果を詳しく見ると、まず、正社員のテレワーク実施率は13.2%。会社からテレワークを命じられている人の割合は全体の3.2%、推奨されている人は同18.9%だった。

企業規模が大きいほどテレワークを推奨

 3大都市圏別に見ると、テレワークが命令または推奨されている割合は、東京圏が32.7%、名古屋圏が17.4%、大阪圏が20.2%だった。企業規模別では、規模が大きいほどテレワークが命令または推奨されている割合が高い。具体的には、従業員数が1万人以上の企業でテレワークを推奨している割合は37.4%、テレワークを命令している割合は5.5%、テレワークの指示がない割合は51.0%。これに対して、従業員数が100人未満の企業でテレワークを推奨している割合は7.6%、テレワークを命令している割合は1.8%、テレワークの指示がない割合は84.2%だった。

画像 三大都市圏別の「テレワークの命令・推奨」の割合(出典:パーソル総合研究所

 なお、会社からテレワークに関して指示がない人の割合は全体で71.5%。つまり、多くの人は通常通り出勤しているとみられる。業務自体がなくなった人は全体の1%だった。テレワークを実施していない人のうち、「希望しているができていない」と回答した割合は33.7%で、従業員の希望と実際の状況に差があることが明らかになった。

「テレワーク制度が整備されていない」

 テレワークを実施していない理由として、最も回答率が高かったのは「テレワーク制度が整備されていない」(41.1%)。次いで、「テレワークを行える業務ではない」(39.5%)、「テレワークのためのIT環境が整備されていない」(17.5%)だった。パーソル総合研究所では、テレワークへの対応が急だったため、社内制度やIT環境の整備に課題が生じていると分析している。

画像 テレワークを実施していない理由(出典:パーソル総合研究所

 パーソル総合研究所の主任研究員を務める小林祐児氏は、次のように述べている。

 「調査結果から、テレワークが急速に広がっていることが明らかになった。だが、社内制度やIT環境が対応しきれておらず、テレワークをしたくてもできない従業員も多い。このように急速に拡大したテレワークは、雇用の在り方に関して幾つかの課題を生む。テレワークは、プロセスや努力といった過程が見えにくく、パフォーマンスの差だけが可視化されやすい。仕事の様子も見えにくいため、これまでのような柔軟な仕事の割り当てが困難になる。これらの問題は、中長期的には『各自が果たすべき職務や責任を明確に定め、これまでの曖昧な総合評価から職務責任を果たせたかどうか』という評価へと変わることを促す。今、財界ではジョブ型雇用への転換が叫ばれているが、テレワークの急拡大は、日本の雇用や働き方を変革の岐路へと立たせるだろう」

 今回の調査の対象は、従業員数10人以上の企業に正社員として勤める全国の20〜59歳の男女2万1448人。2020年3月9〜15日に、インターネットを利用して実施した。

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