「Azure Files」の共有スナップショットが「Azure Backup」で管理可能にシンプルな構成、ゼロインフラ、柔軟なポリシーなど多くのメリット

Microsoftは、「Azure Files」の共有スナップショットを「Azure Backup」で管理する機能の一般提供を開始した。

» 2020年06月15日 08時00分 公開
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 Microsoftは2020年4月29日(米国時間)、「Azure Files」の共有スナップショットを「Azure Backup」で管理する機能の一般提供開始を発表した。

 Azure Filesは、Windowsのファイル/プリンタ共有プロトコルである「Server Message Block(SMB)」でアクセスできるクラウドベースのフルマネージドファイル共有サービス。共有スナップショットは、過去のある時点におけるファイル共有の読み取り専用バージョン。

 ユーザーは共有スナップショットを使って、ファイル共有の以前のバージョンにデータを戻すことができるが、スクリプトや自動化を利用してスナップショットを管理するのは、手間のかかるプロセスだった。

 Microsoftは、「Azure Backupは、共有スナップショットを用いて、Azure Filesのファイル共有をバックアップおよび保護するための信頼性の高い簡単な方法を提供する」と述べ、Azure BackupでAzure Filesの共有スナップショットを管理する機能の主なメリットとして、以下を挙げている。

Microsoft Azure Filesの共有機能(出典:Microsoft) Microsoft Azure Filesの共有機能(出典:Microsoft)

主なメリット

シンプルな構成

 AzureのストレージエンティティであるRecovery Servicesコンテナの[+ バックアップ]オプションを使って、ストレージアカウントにおける保護されていないファイル共有を発見し、必要に応じて複数のファイル共有を選択し、ポリシーを選び、全てのファイル共有のバックアップを一度に構成できる。構成したら、Azure Filesポータルからバックアップを直接管理できる。

ゼロインフラソリューション

 AzureのネイティブソリューションであるAzure Backupを使うことは、追加のコンピュートを実行する必要がないということを意味する。そのため、インフラをセットアップしてスナップショットをスケジューリングしたり、それらを定期的にメンテナンスしたり、変更したりしないで済む。

柔軟なバックアップポリシー

 Azure Backupでは、スナップショットのスケジュールを定義する最適なポリシーを作成、変更できる。

 これまではAzure Backupポリシーの一環として、スナップショットを毎日作成することができたが、今回の新機能の一般提供開始に伴い、スナップショットを毎週、毎月、毎年作成することも可能になった。これらのスナップショットは保持期間も選択できる。保持期間は最大10年間で、保持できるスナップショット数は、ファイル共有当たり最大200となっている。保持期間に達したスナップショットは、自動的に削除される。

誤削除に対する保護、オンデマンドバックアップ機能も

包括的なリストア機能

 Azure Backupは、ファイル共有データのさまざまなリストアオプションを提供する。ファイル共有全体をリストアするか、個々のファイルやフォルダをリストアするかを選べる他、リストアを元の位置に対して行うことも、同じ、または異なるストレージアカウントの代替ファイル共有に対して行うことも可能だ。また、Azure Backupは、ファイルとフォルダの全てのアクセス制御リスト(ACL)を保存し、リストアすることもできる。

誤った削除に対する保護

 誤った削除は、個々のファイルやフォルダ、スナップショット、ファイル共有、ストレージアカウントの各レベルで起こり得る。それぞれ以下の対策が講じられている。

  • 個々のファイルやフォルダ:スケジューリングされたスナップショットを利用して、個々のファイルやフォルダをリストアできる。
  • スナップショット:Azure Backupがスナップショットの誤った削除を防止するメカニズムの開発が進められている。
  • ファイル共有:ファイル共有の誤った削除を防止するソリューションが開発されている。近いうちに、まず幾つかのリージョンでこのソリューションが提供開始される見通し。
  • ストレージアカウント:Azure Backupでは、ストレージアカウントでファイル共有のバックアップが初めて構成されると、ストレージアカウントの削除ロックが設定される。

オンデマンドスナップショット

 毎日最大4回、オンデマンドバックアップを作成できる。この機能を使うときは、ファイル共有当たり最大200という保持可能なスナップショット数の上限を超えないようにする必要がある。

アラートとレポート

 Azure Backupのアラートとの統合機能により、重大な障害時に電子メールで通知を受けられるように構成できる。今回の新機能の一般提供が全てのリージョンで開始されたら、バックアップ関連のデータがAzure Backupレポートに含まれるようになる。

 なお、2020年7月1日まで、Azure Backupを使ったスナップショット管理機能については、顧客への料金請求は行われない。全てのユーザーが2020年6月末まで、追加コストなしでこの機能にアクセスし、試すことができる。

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