若年層ほどデマを信じやすいが、真偽を調べる割合は高い 総務省が新型コロナに関する情報流通調査放送メディアは利用度と信頼度がともに高い

総務省は、「新型コロナウイルス感染症に関する情報流通調査」の結果を発表した。放送メディアは利用度と信頼度がともに高く、SNSは利用度と信頼度のいずれも低い。デマやフェイクニュースは、若年層ほど信じやすい傾向にあった。

» 2020年06月23日 08時00分 公開
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 総務省は2020年6月19日、「新型コロナウイルス感染症に関する情報流通調査」の結果を発表した。同省では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する間違った情報や誤解を招く情報(デマやフェイクニュース)が拡散し今後の被害拡大が懸念されるとしている。今回の調査は、こうした新型コロナウイルス感染症関連情報の流通実態を把握することが目的。

COVID-19に関する情報はどこから得ているか

 直近の1カ月で、COVID-19に関する情報やニュースを「1日平均1回以上見たり聞いたりした」人は、全体の95%以上を占めた。さらに、「1日平均10回以上」という人は全体の22.6%、「1日平均20回以上」は9.1%に上った。

 COVID-19の情報やニュースを見聞きしたメディアについては、「民間放送」と回答した割合が最も高く、71.6%(複数回答)。次いで、「Yahoo!ニュース」(62.6%)、「NHK」(50.5%)の順だった。ニュース系のアプリやサイトをまとめると83.2%、SNS全体では30.7%、「家族や友人、同僚」は25.9%だった。年代別に見ると10代〜20代は他の年代に比べて、「LINE NEWS」「Twitter」「YouTube」「Instagram」の割合が高く、「NHK」「新聞」「Yahoo!ニュース」の割合が低かった。

画像 COVID-19の情報を得たメディア(出典:総務省

 次にSNSの情報の出どころを調べた。最も割合が高かったのは、「民間放送」で66.1%(複数回答、以下同)。次いで、「政府」(62.4%)、「NHK」(48.6%)の順。これに対して「知らない人が拡散した情報」と回答した割合は19.0%、「直接の知り合いではない有名人が拡散した情報」は24.7%だった。

 COVID-19の情報に関して、信頼できるメディアやサービスとして挙がったのは、「NHK」(43.7%、複数回答)、「政府」(40.1%)、「民間放送」(38.0%)だった。「世界保健機関(WHO)」と回答した割合は、全体では17.4%だったのに対して、10代は30.7%、20代は27.6%と高く、50代と60代はどちらも12.7%と低かった。

画像 信頼できるメディアは?(出典:総務省

 ここまでの結果から、メディアに対する意識として、次の傾向がうかがえる。放送メディアは利用度と信頼度がともに高い。政府の情報は、利用度は高くないが信頼度は高い。ニュース系アプリやサイトは、利用度は高いが信頼度が低い。SNSは、利用度と信頼度のいずれも低い。

COVID-19に関する情報に対する行動

 次に、COVID-19に関する情報を見聞きしたことによる行動について調べた。

 「マスクを着用する」「外出を控える」「『3密』を避ける」といった推奨される予防法をとったと回答した割合は、全体の96.8%。ただし、「お湯を飲む」や「納豆を食べる」といった真偽不明の予防策をとった人の割合も15.1%に上った。

 「花こう岩などの石はウイルスの分解に即効性がある」「漂白剤を飲むとコロナウイルス予防に効果がある」など、17のデマやフェイクニュースを具体的に挙げて、1つでも「正しいと思った」と回答した人の割合は、全体で28.8%だったのに対して、10代は36.2%、20代は34.4%、30代は31.7%だった。1つでも「正しいかどうか分からなかった」と回答した人の割合は、全体の76.7%に対して、10代は82.8%と突出して高かった。

画像 COVID-19に関する情報の真偽確認経験(出典:総務省

 怪しいと思った新型コロナウイルスに関する情報の真偽を確認したことがあるかどうかを聞くと、「真偽を調べない方が多かった」と回答した割合はほぼ半数の49.1%。「真偽を調べることが多かった」は30.5%だった。若年層ほどデマヤフェイクニュースを信じる傾向にあったが、真偽を調べる割合は年代が若いほど高い傾向が見られた。

 なお今回の調査は、普段ネットを仕事や学業以外で週1日以上利用している15〜69歳の男女を対象とし、2000人から回答を得た。

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