「Windows 10 バージョン2004(May 2020 Update)」のWindows Update問題(もしかしたら仕様)について、前回までに紹介し切れなかった、もう一つの別の問題(もしかしたら仕様)を報告します。以前から疑っていた挙動ですが、前回、さまざまなパターンを試し、確証に近づけたような気がする「再試行」ボタンの謎についてです。恐らくリリースされたばかりの「Windows 10バージョン20H2(October 2020 Update)」も同じ問題を抱えています。
本連載で既にお伝えしましたが、Microsoftは2020年7月から「Windows 10 バージョン1809」以降を対象に、毎月第2火曜日(米国時間)の「セキュリティ更新(Bリリース)」の翌週以降にリリースされる「オプションの更新プログラム」の提供を再開しました。
オプションの更新プログラムは、「Cリリース」や「更新プログラムのプレビュー」とも呼ばれ、新たなセキュリティ更新を含まない、バグ修正が主体の累積更新プログラムです。“オプション”なので、無理にインストールする必要はありませんし、自動更新で配布されることもありません。
Cリリースから翌月のBリリースまでの間に「設定」アプリの「Windows Update」で「更新プログラムのチェック」ボタンをクリックすると、Windows 10 バージョン1809ではWindowsと.NET FrameworkのCリリースのダウンロードとインストールが始まります。Windows 10 バージョン1903以降は、.NET FrameworkのCリリースのダウンロードとインストールが始まります。
Windows 10 バージョン1903以降、WindowsのCリリースについては「オプションの更新プログラムがあります」と案内され、「ダウンロードしてインストールする」をクリックしない限り受け取ることはなくなりました。これは大きな改善点ですが、.NET FrameworkのCリリースもこの機能の対象に含めてもらいたかったです。
前回は、「Windows 10 バージョン2004(May 2020 Update)」になって、Cリリースのインストール挙動がおかしいことをお伝えしました。詳しくは、以下の記事をご覧ください。
前回は触れませんでしたが、Windows 10 バージョン2004のCリリースのインストールについてさまざまなパターンを試している中、以下のような画面に数回遭遇しました(画面1)。Windows Updateの自動更新の確認中(おおむね1日に1回自動実行されます)、何らかの問題があってエラーで終了している状態です。「更新プログラムのチェック」ボタンや「オプションの更新プログラム」の「ダウンロードしてインストール」ボタンは、一度もクリックしていません。Windows Updateの設定は、既定値そのままです。
この画面に遭遇した場合、多くのユーザーは「再試行」をクリックしてしまうのではないでしょうか。筆者はCリリースが利用可能になってからは「更新プログラムのチェック」ボタンには触れないように勧めてきました。なぜなら、意図せず、更新プログラムのダウンロードとインストールが始まってしまうことがあるからです。
では、この画面の「再試行」ボタンをクリックするとどうなるのでしょうか。実際に試してみました。答えは、.NET FrameworkのCリリースのダウンロードとインストールが始まってしまうのです(画面2)。つまり、「更新プログラムのチェック」ボタンをクリックしたのと同じことになるのです。
「再試行」ボタンをクリックしても何も起こらず、「最新の状態です」という画面にすぐ戻るかもしれません。その場合でも、PCを再起動してこの画面に戻ってくればダウンロードとインストールが始まっていることを確認できるはずです。その挙動については、前回紹介しました。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.