間違って削除したファイル共有も簡単な操作で復元可能に――Azureファイル共有で「論理的な削除」機能の一般提供が開始Microsoft Azure最新機能フォローアップ(127)

2020年5月からプレビュー提供されていた「Azureファイル共有(Azure File Share)」の「論理的な削除(Soft Delete)」機能が、10月末に一般提供となり、全てのリージョンで利用可能になりました。

» 2020年11月11日 05時00分 公開
[山市良テクニカルライター]
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Microsoft Azure最新機能フォローアップ

新機能「論理的な削除(Soft Delete)」とは

 「Azureストレージアカウント」の一機能である「Azureファイル共有(Azure File Share)」は、インターネットを介して「Server Message Block(SMB)」バージョン3.0でマウントできるファイル共有サービスです(画面1)。

画面1 画面1 Azure上のファイル共有には、インターネット経由でWindows、Mac、LinuxからSMB 3.0でマウントできる

 同一リージョン内のAzure仮想マシンからは、SMB 2.1、SMB 3.0、「Network File System(NFS)」バージョン3.0で接続できます(NFS 3.0は一部のリージョンでプレビュー提供中)。また、「Azureファイル同期(Azure File Sync)」と組み合わせることで、オンプレミスのファイルサーバと双方向で同期したり、オンプレミスのファイルサーバをフロントエンドとして階層型のストレージを構成し、効率的にデータを配置(アクセス頻度の高いファイルはオンプレミス、低いファイルはクラウドなど)したりできます。

 2020年5月から「論理的な削除(Soft Delete)」機能が一部のリージョンでプレビュー提供され、10月末に一般提供となり、全てのリージョンで利用可能になりました。論理的な削除は、そこから復元可能な“ごみ箱”のように機能するもので、アプリケーションや誤操作、サイバー攻撃などでファイル共有が意図せず削除されてしまった場合でも、事前設定された保持期間内であれば簡単な操作で復元できます。

 保護単位はファイル共有ごとで、個別のデータやフォルダの復元を目的に利用することはできません。ファイルやフォルダ単位でのデータ保護には、「スナップショット」または「Azure Backup」によるバックアップと復元機能を利用できます。

 論理的な削除は、Azureポータルでストレージアカウントを新規作成する際に保持期間(1〜365日、既定は7日)とともに有効化できます(画面2)。

画面2 画面2 ストレージアカウントの新規作成時に「論理的な削除」を有効化できる。2021年1月1日からは既定で有効

 現在、この機能はオプションですが、2021年1月1日からは保持期間「7日」で既定で有効化されます。既存のストレージアカウントの場合は、Azureポータルでストレージアカウントの「Fileサービス」の下にある「論理的な削除」を開き、「有効」を選択して保持期間を設定します(画面3)。なお、削除されたファイル共有に含まれるデータ量に応じてストレージ使用量がかかるため、保持期間については考慮してください。

画面3 画面3 既存のストレージアカウントで「論理的な削除」を有効化する

削除されたファイル共有を復元するには

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