Microsoftは「Azure Cloud Shell」を現在のUbuntu 16.04 LTSベースのイメージからDebian 10ベースのイメージに移行する予定です。オープンソースのAzure Cloud Shellツールイメージ(azure-cloudshell)は、既にDebian 10ベースに更新されており、ローカル環境にデプロイして利用可能です。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
「Azure Cloud Shell」は、Microsoft Azure環境を管理するためのコマンドラインツールである「Azure CLI」や「Azure PowerShell」、その他のツール(「code」や「emacs」エディタなど)を提供する、クラウドベースのシェル環境です。「Azureポータル」(https://portal.azure.com)または「Azure Cloud Shellポータル」(https://shell.azure.com)から素早く起動して利用できます。現在のAzure Cloud Shellは、Ubuntu 16.04 LTS(Long Term Support)ベースで構築されたLinuxコンテナとしてコマンドラインツールを提供します(画面1)。
2016年4月にリリースされた長期サポート版の「Ubuntu 16.04 LTS」は、2021年4月に5年間の通常(Standard)サポートが終了となり、無償のセキュリティ更新が提供されなくなります。MicrosoftはUbuntu 16.4 LTSのライフサイクル終了に向けて、今後、Azure Cloud Shellを「Debian 10」ベースに移行することを発表しました。
Microsoftは2020年8月に、Azure Cloud Shellツールイメージ(azure-cloudshell)のLinuxコンテナイメージをオープンソース化し、GitHubで公開しています(画面2)。GitHubで公開されている最新イメージは、既にDebian 10ベースに更新されています。
Azure Cloud Shellツールイメージは、ローカルでビルドしてコードをレビューしたり、変更や要望を提案したりするなど、開発プロジェクトに貢献するために利用できます。また、ローカルにコマンドラインツールをインストールしたり、アップデートしたりする手間を省いて、Azureの管理に最適な最新のコマンドラインツールをローカル環境に簡単に導入、更新するために利用できます。
Azure Cloud Shellツールイメージは、Linuxコンテナを実行可能なDocker環境でビルド、実行できます。Windowsの場合は、以下のいずれかの環境になります。
例えば、最新のコマンドラインツールをローカル環境に導入するには、次の「docker」コマンドを実行します。イメージの展開後のサイズは8GBを超えるため、初めてイメージを取得する際には時間を要しますが、イメージ取得後はLinuxコンテナとして素早く実行できます(画面3)。なお、GitHub上のイメージはテクニカルプレビューという位置付けであり、Microsoft Azureの公式なサポートの対象外であることに留意してください。
- docker pull mcr.microsoft.com/azure-cloudshell:latest
- docker run -it mcr.microsoft.com/azure-cloudshell /bin/bash
岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(2020-2021)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows版Docker&Windowsコンテナーテクノロジ入門』(日経BP社)、『ITプロフェッショナル向けWindowsトラブル解決 コマンド&テクニック集』(日経BP社)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Server & Storage 鬮ォ�ェ陋滂ソス�ス�コ闕オ譁溷クキ�ケ譎「�ス�ウ驛「�ァ�ス�ュ驛「譎「�ス�ウ驛「�ァ�ス�ー