綜合警備保障と京浜電鉄、NTTコミュニケーションズは、ローカル5Gに関する実証実験を推進する。京急電鉄の羽田空港第3ターミナル駅で、ローカル5Gを活用したドローンやロボットによる自動巡回や遠隔巡回を実施する。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
綜合警備保障(ALSOK)と京浜急行電鉄(京急電鉄)、NTTコミュニケーションズの3社は2020年11月20日、コンソーシアムを組成し、「ローカル5G」に関する実証実験を推進することで合意したと発表した。ここでいうローカル5Gは、地域の企業や自治体など個別のニーズに応じて利用できる5G(第5世代移動通信方式)のネットワークを指す。
3社は、ALSOKが総務省から受託した、令和2年度「地域課題解決型ローカル5Gなどの実現に向けた開発実証に関わる防犯分野におけるローカル5Gなどの技術的条件などに関する調査検討の請負(遠隔巡回・遠隔監視などによる警備力向上に資する新たなモデルの構築)」に基づき、ローカル5Gを活用して地域の課題を解決するモデルを構築し、遮蔽(しゃへい)物の多い閉鎖空間でのローカル5Gの電波伝搬などの技術面での検討を実施する。
実証実験は、2021年1月から京急電鉄の羽田空港第3ターミナル駅で実施する予定。ドローンやロボットによる自動巡回、高精細な4K映像を用いた遠隔巡回などを実施する。警備員への指示を最適化する5Gを活用した警備システムも構築する。
警備システムは、行動を検知するAI(人工知能)を活用して不審な行動や歩行支援が必要な人を自動検知するシステムや最適な警備員に対処するよう指示する「ALSOKスタッフ等連携システム」、情報を集約する「遠隔統制席」(監視センター)を組み合わせて構築する。これらのシステムによって、警備分野でのローカル5Gの活用策とその導入効果を明らかにする。
ALSOKは、警備サービスの高度化と効率化を目指して、総務省の「第5世代移動通信方式の実現による新たな市場創出に向けた総合的な実証試験」に参画している。そこでは、超高速で超低遅延といった5Gの特徴を生かして、高精度防犯カメラのライブ映像の共有や画像解析による異常検知などについて検証した。
今回の実証実験は、それらの検証結果を踏まえて、新たな技術の活用による巡回や監視などの警備業務を発展させたモデルの構築を目指す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.