Red Hatは、企業におけるオープンソース技術の利用状況に関する年次調査結果を発表した。OSSがDX実現の手段となっており、高いセキュリティにも注目が集まっていることが分かった。
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Red Hatは2021年3月2日(米国時間)、企業におけるオープンソースソフトウェア(OSS)の利用状況に関するレポート「The 2021 State of Enterprise Open Source: A Red Hat Report」を発表した。
この年次調査は今回が3回目。Red Hatが委託した外部機関が実施し、世界のITリーダー1250人の回答を得た。回答者には調査のスポンサーがRed Hatであることを知らせていない。回答したITリーダーの90%が、エンタープライズOSSを利用していた。
調査結果を解説したRed Hatの技術エバンジェリスト、ゴードン・ハフ氏は同社の公式ブログで、レポートのハイライトとして次の4点を挙げた。
OSSの使用目的の上位3つは、「ITインフラモダナイゼーション」(64%)、「アプリケーション開発」(54%)、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」(53%)だった。DXと答えた率は、過去2年間で11ポイント上昇している。
Red Hatのポール・コーミア社長兼CEOはレポートの前文で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴うテレワークの普及拡大を背景に、多くの企業がイノベーションを維持し、顧客需要に対応し続けるために、DXを加速することを迫られたと分析している。
OSSの主要なメリットの上位4つは、「高品質なソフトウェア」(35%)、「最新のイノベーションへのアクセス」(33%)、「優れたセキュリティ」(30%)、「オープンソース技術を安全に利用できる」(30%)だった。
2年前の調査では、「低い総所有コスト」が主要なメリットの首位を占めたことに対し、今回の調査では、「最新のイノベーションへのアクセス」が2位を獲得した。さらに「エンタープライズOSSは、革新性の高い企業で使われている」「エンタープライズOSSは、自社のニーズに合うようにソリューションをカスタマイズできる柔軟性を提供する」と考える回答者が、それぞれ82%、81%に達している。
これは、プロプライエタリなソフトウェアの低コストな代替選択肢として人気があったエンタープライズOSSが、現在では柔軟性やイノベーションへのアクセスを高く評価されるようになったことを示している。
今回の調査では、新しい技術分野でエンタープライズOSSの導入が積極的に進められていることを示す結果もある。例えば、回答者の79%が今後2年間に、新しい技術分野におけるエンタープライズOSSの利用が拡大するとの見通しを示している。また、エッジコンピューティングやIoTにおけるエンタープライズOSSの導入率は、現在の55%から2年後には72%に、AI(人工知能)や機械学習におけるエンタープライズOSSの導入率も、現在の48%から2年後には65%に上昇する見通しだ。
前述のように、OSSの主要なメリットの3位、4位は「優れたセキュリティ」「オープンソース技術を安全に利用できる」となった。
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