Nano Server「1809」コンテナイメージのサポート期間が5年間延長にMicrosoft Azure最新機能フォローアップ(145)

Microsoftは現在、LTSCの次期バージョン「Windows Server 2022」のプレビュー版(180日評価版)を一般提供し、Windows Server Insiderプログラムに参加していないITプロフェッショナルでも手軽に評価できるようにしています。Windows Server 2022および現行バージョンの「Windows Server 2019」と同時にリリースされるSACバージョンの「Nano Server」のWindowsコンテナ用ベースOSイメージについて、サポート期間の延長についても発表しています。

» 2021年06月24日 05時00分 公開
[山市良テクニカルライター]

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「Microsoft Azure最新機能フォローアップ」のインデックス

Microsoft Azure最新機能フォローアップ

Windows Server 2022 Previewについて

 Microsoftは2021年6月初め、「Microsoft Evaluation Center」(評価版センター)で「Windows Server 2022 Preview」(OSビルド20348)が利用可能になったことを発表しました。

 少し遅れて、Microsoft Azureの「Microsoft Server Operating Systems Preview」オファーでも、同じビルドベースの「Windows Server 2022 Datacenter」と「Windows Server 2022 Datacenter:Azure Edition」(Azure Editionはプレビュー機能であるホットパッチ対応)イメージが利用可能になっています。

 これまでWindows Server 2022 Previewを評価するには、Windows Server Insiderプログラムへの参加が必要でしたが、これからはプログラムへの参加なしに評価が可能になります。

nanoserver:1809とnanoserver:21H2のコンテナイメージのサポート期間が5年に延長

 MicrosoftはLTSC(長期サービスチャネル)版のWindows Serverについて、メインストリーム5年、延長サポート5年の長期サポートを提供しています。一方、SAC(半期チャネル)版のWindows Serverについては18カ月の短いライフサイクルでサポートが終了します。

 ただし、例外もあります。LTSC版Windows Server 2019と同時にリリースされたSAC版「Windows Server, version 1809」のサポートは「2020年3月12日」に終了する予定でしたが、ユーザーからのフィードバックを受け「2020年11月10日」まで延長されました。SAC版Windows Serverの最新のサポートライフサイクルについては、以下を参照してください。

 なお、「Windows 10バージョン21H1(May 2021 Update)」と同時にリリースされるとみられていた「Windows Server, version 21H1」は、筆者が確認した限り未リリースであり、Server CoreやNano Server関連の新機能はないと思われますが、リリースされるのかどうかも公開されている情報はありません。

 また、SAC版Windows Server, version 1809は既にサポートが終了しましたが、Windowsコンテナのイメージとして提供される「nanoserver:1809」およびこのベースOSイメージから作成されたコンテナイメージ(.NET CoreやASP.NET Coreなど)についてはその後もサポートが継続されています。

 2021年3月には、Windows Server 2019のメインストリームサポート期間と同じ5年のサポートが提供されることが発表されました。これにより、nanoserver:1809は「2024年1月9日」までサポートされることになります。同じ方針が次のLTSC版Windows Server 2022と同時にリリースされる「nanoserver:21H2」のコンテナイメージにも適用されることになり、Windows Server 2022のメインストリームサポートと同じ5年のサポートが提供されます。

nanoserver:1809が動作するコンテナホストとは

 nanoserver:1809は、LTSC版のWindows Server 2019とSAC版のWindows Server, version 1809(既にサポート終了)のコンテナホスト上で、プロセス分離モードおよびHyper-V分離モードで実行できます(画面1)。また、Windows Server, version 1903(既にサポート終了)以降のコンテナホスト上で、Hyper-V分離モードで実行できます。

画面1 画面1 Windows Server 2019のコンテナホスト上で実行中のnanoserver:1809のコンテナ。2024年1月9日まで毎月最新の更新ビルドのイメージが提供される

 Microsoft Azureのコンテナ関連サービスである「Azure Container Instances(ACI)」「Azure Kubernetes Service(AKS)」「Azure App Service」は現在、全てのサービスでnanoserver:1809のデプロイと実行が可能であり、プレビューではなく、正式にサポートされています。各サービスでサポートされるベースOSイメージのバージョンについては、以下のドキュメントで確認することができます。

筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(2020-2021)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows版Docker&Windowsコンテナーテクノロジ入門』(日経BP社)、『ITプロフェッショナル向けWindowsトラブル解決 コマンド&テクニック集』(日経BP社)。


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