ガートナーは、DXとデータ分析の取り組みに関する調査結果を発表した。世界ではDX推進にはデータ分析リーダーが深く関与しているが、日本ではDXとデータ分析が混同されている傾向にあり、データ活用に関する責任の所在も不明確だった。
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ガートナー ジャパン(以下、ガートナー)は2021年6月28日、デジタルトランスフォーメーション(DX)と「データ、アナリティクス」(D&A)の取り組みに関する調査結果を発表した。それによると、世界全体を見ると、DXの推進には「D&Aリーダー」が深く関与していることが分かった。
世界でDXに取り組んでいる企業の割合は83%。そのうち、D&AリーダーがDXを主導またはDXに深く関与している企業の割合は76%だった。
日本のIT部門を対象にした調査によると、従業員2000人以上の大企業で「DXやD&Aに取り組んでいる」と回答した企業の割合は78%。ただし、「DXとD&Aを明確に区別して取り組んでいる」と回答した割合はわずか14%だった。
ガートナーは「欧米では大企業を中心にCDO(最高データ責任者)の設置が増加しているのに対して、日本はデータ活用に関する責任の所在が不明確で、専任組織を設置する企業が少ない」と指摘する。ガートナーが2020年11月に実施した調査では、日本の大企業でデータ活用の専門組織を設置している割合は15%だった。
ガートナー ジャパンのアナリストでディレクターを務める一志達也氏は「DXの推進にはD&Aが不可欠だが、この2つを混同すべきではない」と語る。
「DXやD&Aの取り組みを推進するときは、IT部門やビジネス部門の区別なく取り組むことが重要だ。技術やインフラだけでは成果を得られないため、ビジネス部門を中心とした関係者の理解と協力が不可欠である。組織のリーダーは、DXとD&Aにバランス良く取り組むことで相乗効果を高められるよう、資源の配分などを行うべきだ」
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