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» 2021年08月18日 05時00分 公開

あなたに友達ができない本当の理由仕事が「つまんない」ままでいいの?(80)(3/3 ページ)

[竹内義晴(特定非営利活動法人しごとのみらい),@IT]
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ガツガツすると、うまくいかない

 だからといって、積極的に「情報発信をしよう」というのは、似ているようで少し違うような気がしています。というのも、私自身、「積極的に情報発信をしよう」と思って、うまくいかなかった時期があるからです。

 友達の話とは少しずれてしまうかもしれませんが、「人とのつながりを作る」という意味で聞いてください。私が会社員を辞めて、独立したころの話です。「何とか仕事を作らなければ」「自分を売り込まなければ」と、異業種交流会に参加したり、企画書を書いて送ったり、商談イベントに参加したりと、積極的に行動していた時期があります。人と積極的に関わるのは得意ではありませんが、「人とのつながり」がなければ仕事にありつけませんし、背に腹は代えられません。「ここは、積極的にいかないと」と思い込んでいました。

 また、ブログによる情報発信を意識していましたが、意識高い系のことを書いて、「いかに自分はすごいか」みたいなアピールをしていました。

 でも、いつだったか「もし、自分が受け取る側だったら、そんなに前のめりで来られても、引いてしまうな」と思って。自分の都合ばかり考えていて、相手に対する敬意が足りなかったんですよね。それから「売り込む」ような関わり方はやめました。

 いまは「積極的に情報発信する」というよりも、「私はこういう人間です」ということを知っていただけるように、できるだけ「素の自分」を出すようにしています。逆に「つながりを作ろう」とはあまり意識していないし、期待もしていないかもしれません。最近は、だいぶ力が抜けてきて、自分らしさを出せるようになりました。

 そうやって、「素の自分」を出せるようになったときに、結果的に「合う」が生まれて、人と人とのつながりができていくのではないかと思います。あとは、相手に対する敬意かな。

 以前、この連載の編集者から言われたことがあります。「以前の竹内さんはガツガツしていたけれど、最近は変わりましたね」と。私のブログの、初期のころといまの文章を読み比べていただくと、その遍歴がお分かりいただけるのではないかと思います。

「友達が欲しい」の裏側にあるもの

 友達や人とのつながりに対しては、「友達なんかいなくても、自分が充実していればそれでいい」「気心の知れた友達が数人いればいい」「友達はできるだけ多い方がいい」など、いろんな考え方があります。

 私の場合、「気心の知れた友達」は数人いればよく、「仕事」という意味では、いろいろな人と関わりがあった方がうまく進むことも多いので、同じ理想に意識が向いている、信頼できる仲間が一人でも多くいればいいなと思っています(やみくもに増やそうとは決して思いませんが)。

 冒頭の「友達ができない」という悩みには、いろいろな状況があると思います。それは、コロナ禍のような、コミュニケーションが分断されたことによって、「さみしい」のかもしれません。

 あるいは、「友達は多く持つべき」とか、「友達が多いと仕事や生活が充実する」みたいな無意識の思い込みや願望が、どこかしらにあるのかもしれません。そういえば子供のころ、「友達100人できるかな?」なんて歌を歌いましたしね。

 まずは、「友達ができない」という悩みの根源が何なのかを、知る必要があるかもしれませんね。「さみしい」なのか、それとも、「先行きが見通せなくて不安」なのか、ただ何となく「誰かと話したいだけ」なのか……それを知るだけでも、やみくもに「友達を作りにいく」という行動に出て、「やっぱり難しい」という負のループから、抜け出すきっかけになるのではないかと思います。

 その上で、周りの人に「素の自分」を見せること。自分の価値観、趣味、嗜好が、これから出会う人と「合う」状態を作ること。それは、言葉なのか、文字なのか、振る舞いなのかは、それぞれの得意、不得意があるとは思いますが、相手への敬意を忘れて、自分の都合だけでガツガツと「前に、前に行く」というよりは、自分を見せて、オープンなマインドでいることが、人と人とがつながっていく上で、大切なのではないかと思います。

筆者プロフィール

竹内義晴

しごとのみらい理事長 竹内義晴

「仕事」の中で起こる問題を、コミュニケーションとコミュニティーの力で解決するコミュニケーショントレーナー。企業研修や、コミュニケーション心理学のトレーニングを行う他、ビジネスパーソンのコーチング、カウンセリングに従事している。

著書「感情スイッチを切りかえれば、すべての仕事がうまくいく。(すばる舎)」「うまく伝わらない人のためのコミュニケーション改善マニュアル(秀和システム)」「職場がツライを変える会話のチカラ(こう書房)」「イラッとしたときのあたまとこころの整理術(ベストブック)」「『じぶん設計図』で人生を思いのままにデザインする。(秀和システム)」など。


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