Microsoftは2021年9月1日(米国時間)、長期サービスチャネル(LTSC)の最新サーバOS「Windows Server 2022」のリリースを発表しました。Microsoftはこれまで、Windows ServerのLTSCバージョンに対応する無料のハイパーバイザー製品「Microsoft Hyper-V Server」を提供してきましたが、結論から言うと、Windows Server 2022ベースのMicrosoft Hyper-V Serverをリリースする計画はないようです。
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「Windows Server 2022」のGUIレスのインストールオプションである「Server Core」環境では、「Sconfig」ツールがPowerShellベースのものに刷新されました(機能的には以前のVBScriptベースと同等です)。
また、Server Core環境に「Server Coreアプリ互換性オンデマンド機能(Features on Demand、FoD)」をインストールすると、「Hyper-Vマネージャー」(virtmgmt.msc)を含む一部のMMC(Microsoft管理コンソール)スナップインとエクスプローラーシェル、「Internet Explorer(IE)」などが利用可能になります。「Hyper-Vの役割」はServer Coreでもサポートされるため、ローカル環境だけでHyper-Vのホストと仮想マシンを完全に管理することができます(画面1)。
実は、Server Coreアプリ互換性FoDは、「Windows Server 2019」のServer Core、および半期チャネル(SAC)の「Windows Server, version 1809」で追加された機能です。Hyper-Vマネージャーについては、SACの次のバージョンである「Windows Server, version 1903」で追加されました。LTSCとしては、Windows Server 2022のServer CoreがHyper-Vマネージャーに対応した初めてのバージョンになります(注:SACは「Windows Server, version 20H2」を最後に廃止)。
「Microsoft Hyper-V Server」(以下、Hyper-V Server)は、Windows Serverと共通のHyper-V機能を提供する、フリーのハイパーバイザー製品です。ハードウェアさえ準備できれば、ソフトウェアのライセンスコストなしで利用できるため、フリーのLinuxディストリビューションや評価版OSのための仮想環境として利用している方もいるでしょう。
なお、Windows Serverは仮想マシン用のライセンスを販売しておらず、物理サーバに対するコアベースのライセンスと、そのライセンスに含まれる仮想化の権利を利用して仮想化することになるため、Windows Server(評価版を除く)用の仮想環境として、Hyper-V Serverの利用は意味がありません。
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