Microsoftは2021年10月19日、Azure Stack HCIの新バージョンのGAリリースを発表しました。新バージョンは、Windows Server 2022と共通のOSビルドで構築されたAzure Stack HCIクラスター専用OSです。
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「Azure Stack HCI」は、検証済みの認定ハードウェアで構築される、仮想化専用のハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)のクラスターソリューション専用OSです。Azure Stack HCIが登場する以前、OEMベンダー各社は「Windows Server 2016」や「Windows Server 2019」をベースに、OS標準の仮想化機能(Hyper-V)、ソフトウェア定義のストレージ機能(記憶域スペースなど)、ソフトウェア定義のネットワーク機能(ネットワーク仮想化やソフトウェアロードバランサー、ネットワークコントローラーなど)で、HCIクラスターソリューションを提供していました。Azure Stack HCIは、HCIクラスター専用のOSであり、HCIクラスターソリューションをサービス化したものです。
Azure Stack HCIクラスターは、オンプレミスのHyper-V仮想化基盤を置き換えられる他、「Azure Kubernetes Service(ASK)for Azure Stack HCI」(有料)を導入して、Microsoft AzureのAKSと一貫性のあるKubernetesクラスターとして利用することもできます。
Azure Stack HCIは、HCIクラスターのハードウェアとAzure Stack HCIが提供する仮想化機能(ハードウェア購入費は別)を、コア数に基づいた月額固定料金のサブスクリプションサービスとして利用可能にします。利用には「Windows Admin Center」でAzure Stack HCIクラスターとしてセットアップし(画面1)、そのクラスターをAzureに登録してアクティブ化する必要があります(最初の60日間は無料)。登録後は少なくとも30日に1回、Azureと情報を同期し、同期されない場合は機能制限モードになります。
Azure Stack HCIの最初のバージョン「20H2」は、Windows Server 2019のServer Coreをベースに構築され、HCIインフラ向け機能(Hyper-Vなど)はWindows Server 2019と共通でしたが、Windows Server 2019(バージョン1809、OSビルド17763)とは異なるバージョン20H2、OSビルド17784での提供でした。「Windows Server 2022」ベースのAzure Stack HCIバージョン21H2は、Windows Server 2022と同じバージョン21H2、同じOSビルド20348での提供となります(画面2)。
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