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» 2021年12月08日 05時00分 公開

同じバージョン「21H2」のWindowsだけど、3つの異なるOSがあるのはなぜ?その知識、ホントに正しい? Windowsにまつわる都市伝説(199)

2021年9月初めのWindows Server 2022、2021年10月初めのWindows 11に続いて、2021年11月中旬にWindows 10 November 2021 Updateがリリースされました。これらのOSは全て「21H2」という共通のバージョン番号を持ちます。しかし、OSの世代としては3つとも異なり、リリース順とも違います。なぜでしょう。

[山市良,テクニカルライター]

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「Windowsにまつわる都市伝説」のインデックス

Windowsにまつわる都市伝説

親子(サーバとクライアント)で共に歩んできた四半世紀

 Microsoftはこれまで、同じOSビルドで構築されたサーバ版のOSと、クライアント版のOSを提供してきました。「Windows 10」と「Windows Server 2016」以降は少し複雑になりましたが、それより前は、名前からは判断できなかったり、リリース時期も若干ずれたりしましたが、必ず、あるバージョンのWindows Server OSには、対応する同じOSビルドベースのWindowsクライアントOSが用意されてきました(表1)。

WindowsクライアントOS
(SAC/LTSC)
OSビルド Windows Server OS LTSC(SAC)
Windows Vista 6.0.6000(RTM)
6.0.6001(SP1)
6.0.6002(SP2)
Windows Server 2008
Windows 7 6.1.7600(RTM)
6.1.7601(SP1)
Windows Server 2008 R2
Windows 8 6.2.9200 Windows Server 2012
Windows 8.1 6.3.9600 Windows Server 2012 R2
Windows 10
Windows 10 Enterprise LTSB 2015
10.0.10240 なし
…… ……(v1511) なし
Windows 10 Anniversary Update
Windows 10 Enterprise LTSB 2016
10.0.14393(v1607) Windows Server 2016
…… ……(v1703〜v1803) なし
(Windows Server SAC v1709〜v1803 )
Windows 10 October 2018 Update
Windows 10 Enterprise LTSC 2019
10.0.17763(v1809) Windows Server 2019
(Windows Server SAC v1809)
…… ……(v1903〜v21H1) なし
(Windows Server SAC v1903〜v21H1)
Windows 10 November 2021 Update
Windows 10 Enterprise LTSC 2021
10.0.19044(v21H2) なし
表1 Windowsクライアント(SAC/LTSC)とWindows Server LTSCのこれまでの歩み

 例えば、「Windows Server 2003」に対する「Windows XP」、「Windows Server 2008 R2」に対する「Windows 7」、「Windows Server 2012 R2」に対する「Windows 8.1」の存在です。Microsoftは新しいサーバOSやクライアントOSが登場するたびに、それらの組み合わせを“Better Together”(併せて使うとより便利に)として導入キャンペーンを行ってきました。

 Windows 10が登場し、そしてWindows Server 2016がリリースされてから、状況が少し変わりました。Windows 10の最初のバージョンに対応するサーバOSは提供されず、Windows 10 Anniversary Update(バージョン1607)で同じOSビルドのWindows Server 2016がリリースされ、その後、数年間隔でWindows 10のそのときのOSビルドと同じビルドベースのWindows Server LTSC(長期サービスチャネル)がリリースされるようになりました。

 そして、Windows Server LTSCと同じタイミングで、Windows 10のLTSC版も提供されました(Windows 10 LTSCは、機能の固定化が必要な場合や、インターネットに接続できない特定の環境、用途向けの製品)。途中、Windows Serverにも「Server Core」環境のみのSAC(半期チャネル)が登場し、Windows 10 バージョン1709〜20H2まで同じOSビルドベースのWindows Server SACが提供されました。なお、Windows Server SACはバージョン20H2のサポート終了(2022年8月11日)を最後に廃止されます。

 Windows 10 バージョン21H2のリリースと同時に、Windows 10 Enterprise LTSC 2021もリリースされました。Windows 10の次期LTSC版は2021年の初めにリリースが予告されていましたが、多くの人が「LTSC 2022」であり、「Windows Server 2022」と同じOSビルドになると考えていたのではないでしょうか。当時、「Windows 11」については、まだ何も決まっておらず、Windows 10がずっとこの先も続くと考えられていたからです。しかし、実際には「LTSC 2021」として登場し、数カ月前にリリースされた「Microsoft Office」の永続ライセンス製品「Office LTSC 2021」にそろえられる形になりました。

Windows 11の登場で状況が一変! 親子関係は解消、3兄弟に?

 Windows Server 2022、Windows 11、Windows 10 November 2021 UpdateのOSバージョンは全て「21H2」ですが、OSビルド番号はWindows Server 2022が「20348」(後出の画面4)、Windows 11が「22000」(画面1)、最新のWindows 10が「19044」(画面2)です。

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