Microsoft Store版「Windows Sysinternals」は自動更新される? されない?山市良のうぃんどうず日記(226)

本連載第223回では、長い歴史のある「Windows Sysinternals」がMicrosoft Store経由で簡単にインストール、更新できることを説明しました。しかし、常に最新版を使えるとは限らないようです。

» 2022年03月02日 05時00分 公開
[山市良テクニカルライター]

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山市良のうぃんどうず日記

2021年12月末にインストールしたときは最新版だったけど……

 Microsoft Storeにおける「Sysinternals Suite」アプリのリリース日は「2021年10月14日」です。筆者がこの話題に関する第223回の記事のために初めてMicrosoft Storeからインストールしたのは「2021年12月23日」のことでした。

 その際、インストールされたのは、2021年12月16日(米国時間)の以下のアナウンスでリリースされた一連のユーティリティーでした。例えば、このリリースでは「Autoruns」のバージョンは「v14.07」ですが、インストールされたAutorunsもこれと同じバージョンです。

 つまり、最新バージョンがリリースされてから少なくとも1週間後には、Microsoft Store経由でも「Sysinternals Suite」アプリのリリース日より新しい、その時点での最新バージョンがインストールされたことになります。このことから、少しタイムラグはあるかもしれませんが、比較的タイムリーにMicrosoft Store経由で最新バージョンに更新できると想像していました。

2022年2月16日時点で更新版は提供されていません!

 Windows Sysinternalsには2022年1月末に新しいバージョンがリリースされていますが、その後、Microsoft Storeで更新がないかどうかを何日か置きに手動で確認してみても、一向に更新バージョンが来る気配がありません。

 それは、Microsoft Storeで「Sysinternals Suite」アプリ更新プログラムが検出されないことと、ユーティリティーのバージョンが変わらないことから分かります。例えば、Autorunsの最新バージョンは以下のリリースに含まれる「v14.08」ですが、Microsoft Store経由でインストールしたものは「v14.07」のままです。そうこうしているうちに、最新バージョンのリリースから3週間以上経過しています(画面1)。

画面1 画面1 Windows Sysinternalsの最新版のリリースから3週間以上たつが、まだ更新されていない

 もしかすると、Microsoft Storeでは新規インストールできるだけで、言い換えるとWindows Sysinternalsの1回限りの配布手段として利用しているだけで、更新プログラムがMicrosoft Store経由で提供されるのではないのでは(最初に最新バージョンがインストールされたという事実はありますが)? と考えました。

 そこで、まだWindows Sysinternalsがどの方法でもインストールされていないクリーンな環境に、2022年2月16日にMicrosoft Store経由で「Windows Sysinternals」アプリをインストールしてみました。結果は変わらず、1つ前のリリースバージョンのままでした(画面2)。

画面2 画面2 Microsoft Storeからの新規インストールも、12月中旬リリースの1つ前のバージョン

 前回記事で「Sysinternals Suiteをこの方法で導入する場合、Microsoft Store(およびwinget)経由で提供されるため、新しいバージョンが利用可能になれば、自動(または手動確認)で更新されるという利点があります」と書きましたが、本当にそうなのかどうか、この状況では何ともいえません。

2022年2月最新リリースはすぐに来た!

 ところが、リリースされた最新バージョンの状況が変わりました。このリリースで、Autorunsのバージョンは「v14.09」になりました。日本時間2022年2月18日早朝にMicrosoft Storeからアプリをインストール済みのWindowsで確認してみたところ、最新の「Sysinternals Suite」アプリに自動更新されており(PCの起動後すぐに)、手動で更新しなくても、最新ツールが利用可能になっていました(画面3)。

画面3 画面3 日本時間で2022年2月18日早朝、前日リリースの最新バージョンが自動更新で利用可能に

 今回はほとんどタイムラグなく、最新バージョンが利用可能になりました。2022年1月末のリリースは対応を忘れていたとしか思えません。

 というわけで、「Sysinternals Suiteをこの方法で導入する場合、Microsoft Store(およびwinget)経由で提供されるため、新しいバージョンが利用可能になれば、自動(または手動確認)で更新されるという利点があります(ただし、アプリ担当者が忘れていなければ)」ということにしておきましょう。

筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP 2009 to 2022(Cloud and Datacenter Management)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows版Docker&Windowsコンテナーテクノロジ入門』(日経BP社)、『ITプロフェッショナル向けWindowsトラブル解決 コマンド&テクニック集』(日経BP社)。


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