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» 2022年03月16日 05時00分 公開

51歳で「パワポが得意」と、初めて知った元エンジニアの話仕事が「つまんない」ままでいいの?(87)(2/3 ページ)

[竹内義晴(特定非営利活動法人しごとのみらい),@IT]

「資格だけ」だと「結果」は出ない

 「コーチ」とか「コンサルタント」って、名称がかっこういいですよね。箔(はく)が付いた感じもします。でも、資格を取ったら仕事ができるのか、というとそれはまた別問題なんだろうな、と思っています。

 お恥ずかしながら、私の失敗談をお話しさせてください。

 私は以前プログラマーでした。しかし、30代前半で管理職をやることになり、渋々引き受けました。でも、どうしたらメンバーをうまくまとめられるのかが分からなくて、いろいろと調べた結果、「どうやら、コーチングというのがいいらしい」となりました。いまから15年くらい前、2005年ごろの話です。

 そこで、コーチングの資格を取って職場で実践したのです。結論からいうと、ことの外、チームをうまくまとめられました。そこで「人の成長を支援する仕事も面白いじゃないか!」と思って、「組織づくりのコンサルタントとして起業しよう」と思ったのが2007年。晴れて、独立することに決めました。

 ただ「このまま独立しても、たぶんうまくいかないな」と思ったので、マーケティングを勉強して、起業する前からブログやメルマガを書き始めました。読者はそれほど多くはなかったものの、コーチングや組織づくりなら現場経験もあるし、マーケティングの本もかなりの数読み込んだので「何とかなるだろう」と。というより、むしろ「案外、成功しちゃうんじゃないか」と淡い期待を抱いていました。

 しかし……大変お恥ずかしながら、現実は無残なものでした。どんなにがんばっても、なかなか収入につながりません。しばらくすると貯金も底をつき、親に借金もしました。お金が毎月減っていくさまは、本当にきつかった……。

 おかげさまで今ではそれなりにご飯を食べられるようになって、かつての経験もこうして「ネタ」にできるようになりました。

 でも、当時から今までを振り返って、改めて思います。「人から信頼されて、仕事を依頼されるようになるのって、大変なんだな」と。「資格じゃ飯は食えないな」と。ボクのような生き方は、正直、あまりオススメしません。その理由は簡単です。

 つらいから(笑)。

 だからといって、「チャレンジなんかしない方がいい!」なんていいたいわけでは、もちろんありません。夢は描いた方がいいし、チャレンジだってとても大切です!

 でも、夢と現実は違う場合も往々にしてあるので、今まで築いてきたキャリアを全部捨てて、一から新たなキャリアを築こうとしているなら、「もう少し違うやり方もあるんじゃない?」とも思うのです。

51歳で「パワポが強み」って、初めて知った

 話は変わりますが、先日「竹内さんって、スライドを作るのがうまいですね」と言われました。

 それを聞いて、私は思いました。「うまいって、どこが?」

 ボクが作るスライドは、基本テキストだし、絵心ゼロだし、お世辞じゃないけど、自分ではうまいとはこれっぽっちも思っていません。

 でも最近、1回ならず数回、なぜか同じことを言われたんです。しまいには「うちのチームは上手にスライドを作れる人がいないので、今度作ってくれませんか?」とか、「私は自分の考えをうまく伝えることが苦手なので、今度一緒に仕事をしましょうよ」と言われる、みたいな。

 でも当の本人は、「うまいって、どこが?」と思っている。不思議ですよね。というより、51歳になって初めて知りましたよ。「ボクって、スライドを作るのが強みなんだ」と。

 で、思ったんです。「人は案外、自分の強みって知らないものだな」と。

え、そうだったの?(喜)

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