連載
» 2022年05月18日 05時00分 公開

「期待通り」じゃなかった就職や転職、どうする?仕事が「つまんない」ままでいいの?(89)(3/3 ページ)

[竹内義晴(特定非営利活動法人しごとのみらい),@IT]
前のページへ 1|2|3       

環境が変わって不安感を抱いたときは

 とはいえ、頭では「これは成長のプロセスである」と理解できても、感覚的な不安や葛藤は起こってしまうものです。そのような場合はどうすればいいのでしょうか?

 1つのアイデアとしては、あらためて「理想を言語化してみる」といいのではないかと思っています。

 感情というのは、「現実と理想のギャップ」によって生じます。「現実」は、いま目の前に起こっている状態。「理想」は、「本当はこうあったらいいな」という状態です。目の前の現実が、思い描いていた理想とは異なる。そのギャップが、ネガティブな感情として生じるわけです。つまり、ネガティブな感情の背景には、何かしらの「理想」がある……。

ネガティブな感情は何で起きるのかな?

 それならば、エンジニアとして「本当は、どういう状態が理想なのか」「本当はどうしたいのか」「どうありたいのか」をあらためて言語化してみるのです。理想を言語化し、意識できる状態にすると、「自分にとって何が大切なのか」を理解し、気持ちを整理することに役立ちます。ひょっとしたら「○○すべき」「○○ねばならない」といった思い込みによって、ネガティブな感情が生じていたことに気付くかもしれません。

 また、先ほどのタックマンモデルや越境学習でも触れたように、「こういうような状況になるのは自然なことなんだ」と理解するのも大切かもしれませんね。「ある意味、正しい状況なのだ」と知ることで、気持ちを整理できるでしょう。

置かれたところで咲く

 入社や転職など、環境が今までとガラッと変わるとき、さまざまな期待を抱きますよね。それだけに、期待と現実の間のギャップも感じやすいかもしれません。

 また、環境が変わると、意識的にも、無意識的にも「環境に合わせよう」としますし、「早く認められたい」と、つい頑張ってしまいがちです。そういった心と体の疲れが、不安感や期待感とのズレを感じやすくしている場合もあるでしょう。

 とはいえ、入ったばかりの環境に慣れるには多少の時間が必要なのも事実です。もう少し「様子を見てはどうかな?」と思います。

 厚生労働省のデータによれば、大学を卒業し、入社して3年で会社を辞める人の割合は約3割だそうです。私自身、転職を何度か経験しています。理想としている環境と合わなければ、次の会社を目指す。それも決して悪いことではないでしょう。環境を理想に合わせることも大切だとは思います。

 一方で、「置かれた環境で咲く」というのも大切なんじゃないかな、とも思います。入社して1カ月では、まだあなた自身もエンジニアとしての可能性を見いだせていないはず。会社を辞めるなら「エンジニアとして、この会社でやるべきことはやったな、やりきったな」と思えてからでも、遅くはないのかな? と思っています。

筆者プロフィール

竹内義晴

しごとのみらい理事長 竹内義晴

「仕事」の中で起こる問題を、コミュニケーションとコミュニティーの力で解決するコミュニケーショントレーナー。企業研修や、コミュニケーション心理学のトレーニングを行う他、ビジネスパーソンのコーチング、カウンセリングに従事している。

著書「感情スイッチを切りかえれば、すべての仕事がうまくいく。(すばる舎)」「うまく伝わらない人のためのコミュニケーション改善マニュアル(秀和システム)」「職場がツライを変える会話のチカラ(こう書房)」「イラッとしたときのあたまとこころの整理術(ベストブック)」「『じぶん設計図』で人生を思いのままにデザインする。(秀和システム)」など。


前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。