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» 2022年05月18日 05時00分 公開

「期待通り」じゃなかった就職や転職、どうする?仕事が「つまんない」ままでいいの?(89)(2/3 ページ)

[竹内義晴(特定非営利活動法人しごとのみらい),@IT]

その不安は「起こるべくして起こっている」

 もし、理想通りではない環境に身を置かなければならなくなったら、どんな行動を選択し、気持ちを整理すればいいのでしょうか。

 私は、もしその後悔が理不尽な要求やパワハラ、時間外労働のような、心身に支障を来したり、労働基準法に抵触したりするような状況でないのなら、取りあえず「もう少しその環境に身を置いてみる」を選択してはどうかな? と思っています。

 なぜなら、その不安や葛藤は「起こるべくして起こっている」場合があるからです。

 少し話はずれますが、組織をうまく運営するモデルに「タックマンモデル」があります。タックマンモデルでは、組織が機能する状態には、「形成期(Forming)」「混乱期(Storming)」「統一期(Norming)」「機能期(Performing)」「散会期(Adjourning)」の5つのステージがあるとされています。

 「形成期」はチームが結成されたばかりで、メンバーがお互いの人となりやスキル、考え方、価値観などを把握していないため、不安や緊張感、ぎこちなさが生じやすい。「混乱期」は、お互いの考え方が分かったものの、その違いから意見が衝突し、軋轢(あつれき)が生まれる。「統一期」は、お互いの考え方の違いを乗り越え、メンバーが理想や役割を認識できる。「機能期」は、各メンバーが役割を認識し、お互いの個性を認め合いながら活動できる。「散会期」は、チームの役割を終え、次のステージに向かう。これが、組織が機能するまでの大きな流れです。

 タックマンモデルは、いわゆる「組織論」に加えて、新たなメンバーが入ったとき、その当人や組織にも同様のことが起きると考えています。新米エンジニアが感じている違和感は、実は先輩エンジニアも感じているかもしれません。お互いの人となり、スキルが分かっていない状態のいまは「ベストな環境」ではない場合があります。

 言い方を変えると、環境が変わったすぐの段階で起こる不安や価値観の違い、衝突などは、ある意味「起こるべくして起こっている」とも言えます。

越境学習が起こっている可能性も

 また、新入社員や転職したばかりの状態は、今までの環境から離れて、全く異なる環境に入った状況です。つまり、いままでの「枠を超えた」「境を超えた」状況です。

 前回の本連載で「何かが足りない」のは「価値観の揺らぎ」が足りないからというお話をしました。この記事では「越境学習」という考え方に触れました。

 越境学習とは、普段いる環境の境を超えて異なる環境に身を置くことによって生じる気付き、学び、発見のこと。この、気付き、学び、発見が得られる前には、環境が変わったことによる不安や葛藤、摩擦が起きやすい特徴があります。

 つまり、いまあなたが感じている課題感は、いままでの環境から越境したからこそ生じているともいえます。それは、ある意味「正しい反応」であり、「成長するためのプロセス」でもあるのです。

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