新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行とそれに伴う生活様式の変化、つまりいわゆる「コロナ禍」も3年目に突入しました。新規感染者の数に一喜一憂するのにも疲れ、何となく「これがニューノーマルなのか」……と受け入れ始めた今日このごろ、エンジニア採用の現状はどうなっているのか、確認してみましょう。
テレワークは普通のものとなり、普段の業務はもちろん、採用からチームビルディング、雑談まで、全てのコミュニケーションがオンラインを基本とするようになりました。家から出たくない傾向の強いわれわれエンジニアにとっては、コロナ禍がもたらした貴重な福音です。
「エンジニア、毎朝会社に来やしない」というのは、昔からのエンジニアあるあるネタです。正午を過ぎての「おはようございます」とか、16時に始まる「朝会」とか、毎日の出社に疲れ果てたエンジニアたちの怠惰さを現したエピソードは事欠きません。
ところがテレワークがメインになって気がついたのは、エンジニアが苦手なのは朝起きることじゃなくて通勤だった、という事実です。午前8時には業務を開始しているエンジニアをたくさん観測できるようになりましたし、午前中にオフィスで姿を見たことがないなんて連中にも、午前11時前には連絡がつくようになりました。
その結果何が起きたか。
需給バランスによって給与は上がり、コロナ禍によって通勤という苦行も激減しました。エンジニアが働く普段の環境、つまり「待遇」が劇的に改善されたのです。
これが直接の原因だと考えるのはやや短絡的ではありますが、転職サービス「LAPRAS」の調査で、下記の結果がでています。
「今はまったく転職を考えていない」と回答した人の割合が2021年より8pt増加しています。
……あれ? エンジニア、転職意欲が低まっている?
エンジニアの「転職」と相対する企業の視点、つまり「求人」についても確認してみましょう。
企業がなぜエンジニアを採用したいのかというと、エンジニアが生み出す価値を市場に提供し、対価として利益を得る。企業が存在する意義の根幹としての経済活動を実現するためですね。提供する「価値」がサービスやプロダクトであったとしても、労働力としてのエンジニアリングリソースだったとしても、営利団体としての企業の活動はここから始まり、ここに帰ってきます。
多くの企業が、経済活動としての価値を提供するためにエンジニアが必要で、求人の競争が起き、その結果としてエンジニアの給料が上がる。順調に成長している企業であれば、事業の価値の源泉であるエンジニアに投資していくのは当たり前のことですよね。
ということで、企業としての「エンジニアが欲しい気持ち」は相変わらずホット、ということがいえそうです。dodaのマーケットレポートでも、2022年2月までの半年間、求人数は右肩上がりなのが確認できます。
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