SES(System Engineering Service)のエンジニアが契約終了するということは、「人件費の中でも調整しやすい部分を削減したい」という狙いがあります。そういう状況であれば、固定費の増加につながる正社員エンジニアの求人を絞ったり止めたりするのは、大いにあり得る話です。ですから近い将来、転職先選び放題の圧倒的売り手市場に変化があるかも、という認識は持っておいた方がよさそうです。
正直なところ菌類も、過去所属していた企業で業績悪化を理由にぎっちり求人を絞った経験があります。ポジションを絞るのはもちろん、書類や面接のハードルも爆上げしましたから、相当な数の「お祈り」をしました。そんな時期に入社した数少ないエンジニアは、さすがにつよつよばっかりだったなあ……。
経営的な理由で採用を絞るとしても、現場的には変わらずエンジニアが欲しい、という場合もあります。そんなときは経営と綱引きしながら採用枠をこじ開けて求人するわけですから、より費用対効果が求められるのです。マッチしないエンジニアを採ってしまうのは採用担当にとって手痛いエラーですから、選考基準が厳しくなるのも当然ですね。
現場は早くエンジニアが欲しい。経営のチェックは厳しい。採用担当としては厳しい局面に立たされるわけです。
ということで、企業側の変化としては「採用数を絞る」「選考基準を厳しくする」ことが予想できます。
しばらく続いていた売り手市場の雲行きが怪しくなりそう、というとき、エンジニアに必要なのは何でしょうか? カンのいい方や菌類の記事を以前からお読みの方にはもう想像が付いているかもしれません。そう、「生存戦略」です。
生存戦略として「転職」を選択するのであれば、絞られた採用枠と厳しくなった選考基準に立ち向かわなければなりません。さて、どうやって?
……ちょっと考えてみましたが、特に変わったことをする必要はなさそうです。つまり……。
銀の弾丸もひみつ道具もありません。普段からエンジニアとしての価値を高める取り組みをすること、それを適切に伝えること。基本的なことはほとんど「きのこる先生のエンジニア転職指南」に書いてありました。10年以上前に書いた記事ですが、今でもちゃんと役立ちそうな感じがするので、われながらびっくりしています。
現状に合わせてアップデートするとしたら、テレワーク特有の事情についてです。顔を合わせる機会が減り、ソースコードとドキュメントによる非同期タスクが業務の中心になると、よりコミュニケーションに気を使う必要があることにお気付きの方も多いかもしれません。その辺についても「かろやかな転職」に書いてありました。
培った技術と経験を遺憾なく発揮し、チームやプロダクトが必要としている成果を、コロナ禍の制約下でもかろやかに出していく。求められることをちゃんとやれるかどうか、それをちゃんと伝えられるかどうか、もう一度棚卸ししてみましょう。
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