IDC Japanは、国内クライアント仮想化関連の市場シェアを発表した。シンクライアント専用端末市場とクライアント仮想化ソリューション(オンプレミス)市場は2年連続マイナス成長だったのに対して、DaaS市場は拡大した。
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IDC Japanは2022年7月6日、国内クライアント仮想化関連の市場シェアを発表した。シンクライアント専用端末市場と、クライアント仮想化ソリューション(オンプレミス)市場、クライアント仮想化サービス(DaaS:Desktop as a Service)市場について、それぞれの主要ベンダーの競合状況を分析している。
国内シンクライアント専用端末の2021年の出荷台数は、対前年比30.7%減の21万9014台となっており、2年連続でマイナス成長だった。IDC Japanによるとこの市場は規模が小さく、数万台規模の超大型案件(7年周期のリプレースメントサイクル)に影響されるため、「2022年が底になり、過去最大の出荷台数を記録した2019年の7年後に当たる2026年には再びピークを迎える」という。シェアは、1位が日本HP、2位は富士通、3位はデル、4位はAtrust、5位はNECだった。
国内クライアント仮想化ソリューション市場の2021年の売上額は、対前年比1.9%減の6215億円。シンクライアント専用端末市場と同様、2年連続でマイナス成長になった。ベンダー別に見るとトップは2020年に続いて富士通で、シェアは17.9%。次いで、日立製作所(15.0%)、NEC(7.2%)、伊藤忠テクノソリューションズ(6.1%)、キンドリルジャパン(6.1%)、NTTデータ(5.5%)、日本ヒューレット・パッカード(5.5%)の順だった。
DaaS市場の2021年の売上額は、対前年比17.6%増の959億円。プライベートクラウドで提供されるDaaSに加えて、パブリッククラウドを利用したDaaSが増加した。IDC Japanは、この傾向が2022年以降も続くと見ている。ベンダー別のシェアは、NTTデータ、富士通、日鉄ソリューションズ、インターネットイニシアティブ(IIJ)、NEC、日立製作所の順だった。
IDC Japanの渋谷 寛氏(PC、携帯端末&クライアントソリューションのシニアマーケットアナリスト)は、「2022年はすでに『ネクストノーマル』に突入している。従来の働き方を企業、従業員ごとに適合させたハイブリッドワークと、それを支援するエンドユーザーコンピューティングが求められている。ハイブリッドソリューションへ進化するクライアント仮想化を、企業のIT環境に適合させることが重視される。そのためには0.5歩先を見据えた新しいユースケースの創出が需要拡大につながる」と述べている。
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