「機会を見逃した企業は生き残れない」、IT運用は今後5年間でデータ主導になる IDC予測運用の未来に関する予測トップ10

IDCは、IT運用の未来に関する予測のトップ10を発表した。運用データの活用により、今後5年間にIT運用の変革が進むとみている。

» 2022年12月22日 08時00分 公開
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 調査会社のIDCは2022年12月15日(米国時間)、IT運用の未来に関する予測のトップ10を発表した。これらの予測は、「企業が運用データを管理、分析し、社内外のコラボレーションに活用する新しい効果的な方法を見いだすことで、今後5年間にIT運用の変革が進むことを示している」としている。

 IDCは、IT運用の現状について「企業がサプライチェーンの混乱、エネルギーコストの上昇、人材の制約、サステナビリティ(持続可能性)指標の改善圧力に苦労する中、どの業種でも、オペレーショナルエクセレンス(運用の効率、効果の向上による競争優位の構築)とオペレーショナルレジリエンス(運用における強靭《きょうじん》性や回復力の構築)が、引き続き課題となっている」との認識を示している。

 さらにIDCは、データ主導の企業になることは、現状を率直に評価し、運用パフォーマンスの向上に必要な変化を積極的に取り入れるプロセスを継続することだと述べている。新しいアプローチと技術が必要になっている点を踏まえ、IDCは、「データ主導の運用」(DDO:Data-Driven Operations)フレームワークおよび成熟度モデルを開発し、企業が自らをベンチマーク評価し、さまざまな次元(効率、生産性、品質、安全性、信頼性、サステナビリティ)で運用パフォーマンスを高める計画を策定できるよう支援しているという。

 IDCのFuture of Operations担当リサーチバイスプレジデントを務めるリーフ・エリクセン氏は、次のように説明する。「データ主導の運用は、継続的な取り組みだ。運用における変化のペースは加速し始めており、さまざまな業界で重要な再編が行われるだろう。この機会を認識した企業は成功し、見逃した企業は生き残れないだろう」

運用の未来に関するIDCの予測トップ10

予測1:2025年までにG2000企業(Forbes Global 2000)の50%が、経済性とサステナビリティのバランスを考慮したリアルタイムの意思決定を行うようになり、企業全体でそれぞれの指標をいずれも5%向上させる。

予測2:2026年までに製品中心の企業の40%が、ライフサイクルを通じてカーボンフットプリント(二酸化炭素排出量)を測定するデジタルツールを使用するようになり、PLM(製品ライフサイクル管理)と運用データのより良い統合が必要になる。

予測3:2023年までに人材不足と運用パフォーマンス向上への圧力を背景に、企業はデジタルトランスフォーメーション(DX)のアプローチを見直す必要に迫られ、その結果として外部サービスの利用が増加する。

予測4:2027年までに拡張現実技術(AR/VR/MRツールなど)の利用が40%増加し、新タイプのデジタルワーカーが登場する他、オペレーターやフィールドワーカーのミスが30%削減される。

予測5:2026年までに非伝統的な分野(特に、リモート検査やメンテナンス)におけるロボットの利用が35%増加し、検査ミスが50%減少する。

予測6:2023年までに5G接続によるデジタルファーストの運用で労働者の安全性が向上し、休業災害が20%減少する。

予測7:2027年までにリモート運用の50%で衛星利用のAI/ML(人工知能/機械学習)技術を利用して、エッジでのデータ収集、分析が行われるようになり、天然資源分野でコストが削減され、歩留まりとエネルギー利用率が向上する。

予測8:2024年までにG2000企業の50%で、クラウドがオンプレミスインフラに代わって、運用データを保存、管理、分析する主要な場所になる。

予測9:2024年までに企業の30%が、運用に関する洞察を誰もがいつどこでもリアルタイムで利用できるようにすることで、競合他社よりもスリムでアジャイル(俊敏)になる。

予測10:2025年までに企業の50%が、エッジにおけるIoTとOT(オペレーションテクノロジー)のサイバーセキュリティソリューションの利用を拡大し、OTのサイバーセキュリティ侵害を半減させる。

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