GitHubは、AIペアプログラミングツールの企業向けプラン「GitHub Copilot for Business」の一般提供を開始した。
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GitHubは2023年2月15日(米国時間)、AIペアプログラミングツール「GitHub Copilot」の企業向けプラン「GitHub Copilot for Business」の一般提供を開始したと発表した。
GitHub Copilotは、「Visual Studio Code」「Visual Studio」「Neovim」「JetBrains」の統合開発環境(IDE)で拡張機能として使用できる。開発者がコードを入力している間に、編集中のファイルや関連ファイルのコンテキストを分析し、個々の行や関数全体の候補を提案する。「Python」「JavaScript」「TypeScript」「Ruby」「Go」「C#」「C++」などのプログラミング言語に対応している。
GitHub Copilotは、OpenAIのトレーニング済み生成AI(generative AI)モデル(自然言語をコードに変換するAIシステム)である「OpenAI Codex」に基づいている。一般に公開されているソース(GitHubのパブリックリポジトリ内のコードなど)からの自然言語テキストとソースコードでトレーニングされている。また、開発者とともに学習し、個々のコーディングスタイルや監修に適応していく。
OpenAI Codexは、OpenAIの自然言語処理モデル「GPT-3」をベースに開発された。最近話題を呼んでいる「ChatGPT」も、GPT-3.5を対話に適したモデルへと微調整したものだ。
GitHubは、「GitHub Copilotは、世界初の大規模なAIペアプログラマーだ。開発者のコードからコンテキストを理解し、新しいコード行や関数全体、テスト、さらには複雑なアルゴリズムまで提案する」と述べている。初回のリリース以来、GitHub Copilotは100万人以上の開発者の生産性を向上させ、開発者のタスクを最大55%高速化するのに役立っているという。
GitHub Copilotは、既に400以上の組織で利用されているが、GitHub Copilot for Businessは、以下のような新機能を提供し、組織にさらに大きな利益をもたらす。
GitHub Copilot for Businessは、個人向けプランである「GitHub Copilot for Individuals」で提供される全ての機能に加え、シンプルなライセンス管理、組織全体にわたるポリシー管理、業界をリードするプライバシー、企業プロキシのサポートといった機能を利用できる。利用料金は、ユーザー当たり月額19ドル。なお、GitHub Copilot for Individualsの利用料金は、月額10ドルまたは年間100ドルとなっている。
GitHubの調査によると、現在では、全てのプログラミング言語で平均46%のコードがGitHub Copilotによって書かれ、Javaを使用している開発者の間では、その割合が61%に上る。さらに、GitHub Copilotは開発者のコーディング速度を向上させ、仕事への充実感を高めることも明らかになっているという。
「企業にとって、開発者がバグをより早く修正することは、製品やサプライチェーンの安全性をより高めることにつながる。開発者が手作業で何度もコードの定型文を書くことが少なくなれば、チームの生産性と集中力が向上する。最終的に、GitHub Copilot for Businessは開発者が今日の問題に時間をとられることなく、明日のために開発を進める能力を提供する」と、GitHubは述べている。
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