チームがKubernetes上で開発、テストする方法を簡素化し、アプリケーションを迅速に提供できるようにする「Telepresence for Docker」の提供が開始された。
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コンテナプラットフォームを手掛けるDockerと開発者向けインフラを手掛けるAmbassador Labsは2023年3月23日(米国時間)、チームがKubernetes上で開発、テストする方法を簡素化し、アプリケーションを迅速に提供できるようにする「Telepresence for Docker」の提供を開始したと発表した。
Telepresence for Dockerは、オープンソースのCNCF(Cloud Native Computing Foundation)プロジェクトである「Telepresence」を「Docker Desktop」用の「Docker Extension」として利用できるようにしたもの。Telepresenceは、ローカルで動作するコンテナとリモートのKubernetesクラスタを組み合わせたハイブリッド開発環境を実現する。
Telepresence for Dockerにより、リモートのKubernetesクラスタに接続しながら、使い慣れたDockerツールチェーンを使ってローカルで作業ができる。
Telepresence for Dockerは、Dockerから直接購入でき、Docker IDと認証情報を用いて「Ambassador Cloud」にログインして使用する。Telepresence for Dockerの製品サポートは、現在利用中のDockerのサポート、サービスチームから受けることができる。
Telepresence for Dockerは、ローカルの開発マシンとリモートの開発およびステージング用のKubernetesクラスタをシームレスに橋渡しする。このため、開発者はKubernetesの複雑さを管理したり、Kubernetesの専門知識を習得したり、大規模サービスをローカルに展開してノートPCリソースを消費することを心配したりする必要がない。
チームは分散アプリケーションのコンテキスト内で、ローカルでコードのイテレーションを迅速に協力して行い、コード変更の影響をインタラクティブにテストできる。
Telepresence for Dockerは、Kubernetesでトラフィックマネージャポッドを実行し、開発者のワークステーションでTelepresenceクライアントデーモンを実行することで動作する。下の図のように、トラフィックマネージャは双方向ネットワークプロキシとして機能し、クラスタと、開発者マシンで動作するコンテナとの接続をインターセプトし、トラフィックをルーティングする。
ローカルのコンテナをクラスタと統合する方法については、3つのインターセプトオプションが用意されている。
インターセプトは一切行わず、単にコンテナとクラスタの間に接続を確立する。これにより、コンテナはAPIやデータベースなどのクラスタリソースにアクセスできる。
サービスに対してグローバルなインターセプトを設定する。これにより、サービスの全てのトラフィックがKubernetesからローカルコンテナに再ルーティングされる。
グローバルインターセプトのより高度な代替手段。リクエストがローカルコンテナにルーティングされる際の条件を定義できる。
Telepresence for Dockerは、静的なステージング環境と比べて、ローカルコードを共有開発環境に接続する簡単な方法を提供し、チームや他のステークホルダーとの簡単で安全なコラボレーションを促進する。開発者ごとにクラウド仮想マシンをプロビジョニングすることなく、より費用対効果の高い方法でクラウド開発環境を共有できるようにする。
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