続:ERPは終わったのかGartner Insights Pickup(297)

ERPは終わったのか。それとも、未来があるとすれば、それはどんなものなのか。今回は、前回の「ERPは終わったのか」の続編をお届けする。

» 2023年04月07日 05時00分 公開
[Tonnie van der Horst, Gartner]

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 ERPは、まさに「憎まれっ子世にはばかる」だ。このエンタープライズアプリケーションのせいで「自社が状況にそぐわない硬直した枠にはめられている」と考える人もいれば「自社が時間の経過とともにERPのカスタマイズを重ねたところ、ERPが新しい変化に対応できなくなった」と感じている人もいる。

 ERPは終わったのか、それとも未来があるのだろうか。そしてERPに未来があるとすれば、それはどんなものだろうか。

 今回は、前回の「ERPは終わったのか」の続編をお届けする。

 ERPが、灰のようになってしまったリソースプランニングから「エンタープライズランタイムプラットフォーム」として生まれ変わる必要があるなら、企業はそれをどう対応すればいいのか。

 その第一歩は、ビジネスケイパビリティと関連モデルの概念を理解することだ。それにより戦略を実行につなげる。明確なビジネス用語で記述することが可能だ。こうしたビジネス用語には「Order to Cash」「Build to Order」「Procure to Pay」「Record to Report」などが含まれる(※)。

※これらの用語のうち、訳語が日本語として定着しているものは「Build to Order」(「受注生産」または「注文生産」)のみ。他の用語はそれぞれ以下のプロセスを指し、日本では、英語表記に訳語や説明を適宜付して示されることが多い。
Order to Cash:受注から売り上げ回収まで
Procure to Pay:調達から支払いまで
Record to Report:会計記帳から社内外への報告まで

 そのため、技術者は技術やソフトウェアソリューションによって、ビジネスケイパビリティの連動したエンド・ツー・エンドの実装が、どのように実現されるかを明確に説明できる。

 熟練したエンタープライズアーキテクトやビジネスコンサルタント、ソリューションアーキテクトは、将来あるべき状態と、現在の状態からその将来に向かって成長するロードマップとを説明できる。ビジネスケイパビリティについて、経営幹部レベルでこうした技術者を交えて有意義な対話を行っておくことが、(デジタル)ビジネスの世界における技術投資の意思決定に不可欠だ。

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