経営リーダーは、取締役会が考える優先事項を理解すれば、活動と投資を自社の戦略的方向に合わせられる。
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ガートナーの米国本社発のオフィシャルサイト「Smarter with Gartner」と、ガートナー アナリストらのブログサイト「Gartner Blog Network」から、@IT編集部が独自の視点で“読むべき記事”をピックアップして翻訳。グローバルのITトレンドを先取りし「今、何が起きているのか、起きようとしているのか」を展望する。
企業が経済の不確実性に直面し続ける中、経営リーダーは、環境の急速な変化に対応したビジネス戦略の策定と実行に注力している。Gartnerは、さまざまな業種、地域の企業の取締役と取締役会メンバーを対象に「Gartner 2023 Board of Directors Survey」(Gartner 2023年取締役向け調査)を実施し、281人から回答を得た。この調査は、デジタル化の加速とサステナビリティ(持続可能性)、DEI(多様性、公平性、包摂性)への投資の焦点がどこにあるのかを、取締役の視点から把握することを目的としている。
「経営リーダーは、取締役会が現在の厳しい環境下で考える優先事項を理解する必要がある。活動や投資を、自社の戦略の方向性に合わせるためだ。通常、戦略の方向性は取締役会が設定する」と、Gartnerのアナリストでディスティングイッシュト バイスプレジデントのパーサ・イエンガー氏は語る。
「環境や社会、ガバナンス(ESG)、DEIに関する社会的圧力は、企業や取締役会の優先事項にますます影響を及ぼしている」(イエンガー氏)
イエンガー氏は、 Gartner IT Symposium/Xpo 2022カンファレンスでのプレゼンテーションで、Gartner 2023年取締役向け調査の主な結果を次のように紹介した。
急速に変化するビジネス環境の中で成長を推進するには、取締役会は斬新なアプローチを取り入れる必要がある。取締役会は商品ラインの拡大や働き方の変革、新市場への参入において、より大きなリスクを受け入れようとしている。成長に対する外部からの主な脅威や制約としては、迫り来る景気後退と経済の不確実性、インフレ圧力の3つが挙げられる。
取締役は、ビジネスの最適化よりも変革を重視する新しい経済アーキテクチャを構築することで、デジタル化を加速する取り組みをより活発に推進する可能性が高い。現在、取締役の60%が、デジタルビジネスの最適化目標を達成したと回答しており、19%がデジタルトランスフォーメーションに向けて前進していると回答している。
取締役は今後数年間、サステナビリティとDEIへの投資と取り組みが増えると予想している。これらは主に、運用経費(OPEX:Operating Expense)予算の増額で賄われる。2024年まで、大部分の企業ではステークホルダーへの配慮が進み、サステナビリティとDEIへの投資促進につながっていく。
出典:See the Key Findings From the Gartner 2023 Board of Directors Survey(Smarter with Gartner)
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