Winnyは著作権侵害の観点だけでなく、コンピュータセキュリティ面でも深い問題を引き起こした。当時情報処理推進機構(IPA)のセキュリティセンター長として、WinnyをはじめとするP2Pソフトウェアを介して情報を暴露させるウイルス対処の前線に立った経験を持ち、今は東海大学情報通信学部長を務める三角育生氏が「Winnyで公的機関は何をした」と題して当時を振り返った。
Winnyを経由して感染を広め、同時にPC内に保存されているさまざまなファイルを流出させるマルウェア「Antinny」は2003年に登場し、亜種を増やしながら猛威を振るい始めた。利用者が公開しているつもりのない情報まで流出されてしまい、政府や自治体、警察、防衛、さらに医療機関や学校などいろいろなところで情報流出事件が発生していた。
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