LocalStackチームはAWS向けのクラウドアプリケーションをローカルで、迅速かつ便利に開発、テストできるオープンソースエミュレーションプラットフォーム「LocalStack 2.0」の一般提供を開始した。
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LocalStackチームは2023年3月29日(米国時間)、クラウドアプリケーションの開発およびテストを支援するクラウドエミュレーションプラットフォーム「LocalStack」の最新版となる2.0を発表した(2023年4月26日時点の最新版は2.0.2)。
LocalStackはPCやCI(継続的インテグレーション)環境上で1つのコンテナとして動作するクラウドサービスエミュレーターだ。エミュレートされたAWS(Amazon Web Services)サービスのAPIを提供する。リモートのAWS環境に接続することなく、ローカルマシンでクラウドアプリケーションを開発、テストできる。
LocalStackは、AWSが提供するサービスをローカル環境で構築するためのプロバイダーと呼ばれる仕組みを提供している。LocalStack 2.0ではAWS LambdaとAmazon S3(Amazon Simple Storage Service)のプロバイダーを改善し、Lambda API、Docker環境の設定、ホットリロードに対応している。実行時間は従来の800〜1000msから、10ms程度まで短縮しているという。新しいS3プロバイダーでは、S3イベント通知のパフォーマンス向上を実現している。
LocalStack 2.0の提供開始に伴い、LocalStack ProやLocalStack Teamを利用していたユーザーは新しいLocalStack Proイメージに移行する必要がある。Community版の利用者は移行せずに使用し続けられる。イメージの分離により、Community版のイメージサイズは775MBから320MB、Pro版は750MBから570MBまで削減できたという。
LocalStack 2.0では、データの保存、復元の動作を変更し、新たなスナップショットの永続化機能を取り入れた。Pro版ではLocalStackのコンテナ再起動の間、状態を保持できるようになった。
LocalStack 2.0では、有償版のみ提供されていたCloud PodsがCommunity版でも利用可能になった。Cloud Podsを利用することで、スナップショットデータをもとに、LocalStackを復元、変更できる。
新たに「Cloud Pods Launchpads」の提供を開始した。Cloud Pods Launchpadsは、リポジトリやURLから直接Cloud Podsをダウンロードできる機能だ。
この他、ホスト構成の簡素化、利用者向けサイトのUI改良、開発者向けドキュメントの改善などが行われている。
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