「Microsoft Build of OpenJDK」の最新版となる「April 2023」リリースが公開された。
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Microsoftは2023年4月25日(米国時間)、「Microsoft Build of OpenJDK」の最新版となる「April 2023」リリースを公開したと発表した。新リリースはパッチとセキュリティ更新プログラムを含んでいる。
Microsoft Build of OpenJDKは、Microsoftによってコンパイル、パッケージ化、テストされるOpenJDK(Open Java Development Kit)プロジェクトのバイナリを指す。長期サポート(Long Term Support:LTS)が提供される無料のディストリビューションだ。
Microsoft Build of OpenJDKには、JavaのLTS版であるJava 11とJava 17にそれぞれ対応した「OpenJDK 11 LTS」と「OpenJDK 17 LTS」という2つのバージョンがある。これらはOracleのJavaテクノロジー互換キット(TCK)に対してテストされている。
Java 11(OpenJDK 11)は2018年9月、Java 17(OpenJDK 17)は2021年9月に公開された。Microsoft Build of OpenJDKのOpenJDK 11 LTSは2021年5月、OpenJDK 17 LTSは2021年9月に公開され、最も早いサポート終了日は、前者が2024年9月、後者が2027年9月となっている。
April 2023リリースの機能強化点と注意点は以下の通り。
エスケープ分析を改善する取り組みが継続されている。この機能を有効にするには、以下のJVM(Java仮想マシン)フラグを使用する必要がある。
x64アーキテクチャ用のLinux、Windows、macOS向けMicrosoft Build of OpenJDKのJava 17バイナリで、クラスデータ共有(CDS)アーカイブが有効になった。他のバージョンおよびアーキテクチャでは、JDKのインストール後にjava -Xshare:dumpを呼び出すことで、CDSアーカイブを生成できる。
コンテナレベルでのセキュリティ強化に関心のある開発者向けに、コンテナイメージに非rootユーザーが含まれるようになった。コンテナイメージがユーザーappを含むようになり、これは次の例のように使用できる。
上の例では、アプリケーションバイナリはrootとしてコピーされる。既定でイメージがrootのままだからだ。その後、アプリケーションはappとして実行される。フォルダ「/home/app」もユーザーappが所有し、アプリケーションは書き込み可能なファイルシステムを得る。
2021年6月30日に発表された、OpenJDKの「Azul Zulu for Azure」ビルドは、サポートが終了し、更新されなくなっている。これらのバイナリを保持するリポジトリは、Azul Systemsによって削除されているか、または近いうちに削除される。ユーザーは、Microsoft Build of OpenJDKのJava 11バイナリやJava 17バイナリ、またはJava 8用の「Eclipse Temurin」に移行することが強く推奨されている。
2023年12月31日に、残っているアーティファクトとコンテナイメージはパブリックリポジトリから削除される。
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