Google Cloud、クラウド開発環境「Cloud Workstations」正式リリース OSS版VS Codeも利用可能安全で高速な開発環境にいつでもアクセスでき、カスタマイズも可能

Google Cloudは、クラウド上で完全に管理された安全な開発環境を提供する「Cloud Workstations」の一般提供を開始した。

» 2023年05月19日 08時00分 公開
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 Google Cloudは2023年5月16日(米国時間)、クラウド上で完全に管理された安全な開発環境を提供する「Cloud Workstations」の一般提供を開始したと発表した。

 Cloud Workstationsは、企業のITチームのさまざまなニーズに対応している。開発者は、強力かつ安全でカスタマイズ可能な開発環境に、ブラウザ、ローカルIDE(統合開発環境)、ターミナルを使ってどこからでもアクセスでき、多くの一般的なツールやライブラリを利用できる。

 管理者やプラットフォームチームは、開発チームのために開発環境のプロビジョニング、拡張、管理、セキュリティ確保を容易に行うことができ、日常的なタスクの自動化を支援したり、効率とセキュリティを向上させたりすることも可能だ。

 Google CloudはCloud Workstationsの特徴として、「開発者のオンボーディングの迅速化と生産性の向上」「チームのニーズに合わせて最適化された一貫性のある開発環境」「組織のポリシーに準拠したセキュリティ強化の徹底」を挙げ、以下のように説明している。

開発者のオンボーディングの迅速化と生産性の向上

 Cloud Workstationsは、開発環境の構築と管理のためのマネージドソリューションを提供する。管理者は1つまたは複数のワークステーション構成をセットアップし、チームの環境のテンプレートを定義できる。数十万の開発環境の更新やパッチ適用も、ワークステーション構成を更新し、Cloud Workstationsに更新を任せるだけで、簡単にできる。

 開発者は、アクセス権を与えられた構成の中から選択するだけで、ワークステーションをオンデマンドで構築できる。このため、環境間の一貫性が簡単に確保され、開発者は、正しいバージョンのツールやライブラリを使っているという確信が持てる。

チームのニーズに合わせて最適化された一貫性のある開発環境

 開発者は、それぞれのニーズに合わせて最適化されたさまざまなツールやプロセスを使用している。Cloud Workstationsは、ツールを柔軟に選択できるように設計されており、開発者はCloud Workstationsの以下のような機能により、自分が最も生産性を発揮できるツールを使うことができ、リモート開発のメリットも享受できる。

マルチIDEのサポート

 Cloud Workstationsでは、コンテナで動作するあらゆるコードエディタとアプリケーションがサポートされている。IDE(統合開発環境)はカスタマイズ可能で、拡張機能をサポートできる。Code-OSSなどのマネージドIDEや、IntelliJ IDEAなどさまざまなJetBrains IDE、PyCharm、Rider、JetBrains Gateway経由のCLion、Posit Workbench(RStudio Proをサポート)などを介して、IDEやワークフローを変更することなく、リモート開発の恩恵を受けられる。

GPUのサポート

 Cloud Workstationsは、開発者が機械学習やデータ処理タスクを高速化できるように、NVIDIA A100、T4、V100、P100、P4などのGPUプラットフォームをサポートしている。

リージョンサポートの拡張

 世界中の開発者へのサポートを向上させるため、Cloud Workstationsでは、以下のリージョンのサポートが追加されている。asia-south1(インド)、asia-northeast1(日本)、europe-west6(スイス)、europe-west9 (フランス)、us-east4(北米ノースバージニア州)。

組織のポリシーに準拠したセキュリティ強化の徹底

 Cloud Workstationsでは、クラウドベースの本番サービスに使用しているのと同様のセキュリティポリシーおよびメカニズムを、開発者のワークステーションにも適用できる。開発環境のセキュリティを容易に強化できるように、以下のような機能が導入されている。

BeyondCorp Enterpriseの統合(プレビュー)

 コンテキストベースのアクセスポリシーが可能になり、ダウンロード、コピー、貼り付け、印刷などの際にコードなどの知的財産の漏えい防止に利用できる。

ワークステーション管理の向上

 プラットフォームチームは、既存のGoogle CloudコンソールやCloud Workstations APIに加え、Google Cloud CLIやTerraformも使用して、組織のポリシーを強制したり、Workstationsリソースを管理したりできる。

CMEK(Customer Managed Encryption Key)のサポート

 管理者は、開発者のWorkstationsで使われる永続ディスクを保護するためのキーを制御できる。

永続ディスク保持ポリシー

 バックアップや監査証跡ポリシーを含むデータガバナンスをサポートするために、ワークステーションが削除された後も、そのワークステーションに関連する永続ディスクを保持できる。

共有VPCサポートの向上

 最小権限の原則に従ったきめ細かいIAM(Identity and Access Management)権限をサポートする。

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