Linux FoundationとMetaは、次世代のネットワーク接続性向上に寄与する技術の開発に取り組む「LF Connectivity」を共同で設立すると発表した。Metaは設立とあわせて3つのプロジェクトをLF Connectivityに寄贈した。
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Linux FoundationとMetaは2023年5月17日(米国時間)、Beyond 5G時代を見据え、次世代のネットワーク接続性向上に寄与する技術の開発に取り組む「LF Connectivity」を共同設立すると発表した。
LF Connectivityが目指すビジョンは、各種通信プロバイダーがオープンソースのツールを活用して、新興アプリケーションのエンドツーエンドのパフォーマンスや体験品質(QoE:Quality of Experience)要件を支援する、堅固で持続可能なオープンエコシステムを創造することにある。
Linux Foundationでネットワーキング、エッジ、IoT担当のゼネラルマネジャーを務めるアーピット・ジョシプラ氏は、次のように述べている。
「5Gの普及が進み、Beyond 5Gが視野に入る中で、拡張現実や没入型体験を活用するアプリケーションも登場しつつあり、帯域幅と遅延要件は従来以上に高いものになるだろう。LF Connectivityを通じて、世界中の組織に新しいオープンソースツールを提供できる」
Metaは傘下にある3つのプロジェクトおよび関連技術スタックをLF Connectivityに寄贈するとしている。
「Terragraph」は、ISP(インターネットサービスプロバイダー)が加入者宅、企業、集合住宅にギガビット速度のラストワンマイルアクセスを簡単かつコスト効率よく提供できるよう支援する無線技術ソリューションだ。
Metaは、オープンおよび標準化されたRAN(Radio Access Network)の一部である無線基地局の各コンポーネント(無線技術、基地局制御、電源など)をオープンソース化し、商用利用を可能にする「Telecom Infra Project(TIP)」に参画している。
「Open M-Plane」は、TIPにおいて開発されたEvenstarハードウェア設計におけるRANの設定および管理を支援するソフトウェアコンポーネントだ。O-RAN(Open Radio Access Network)仕様に準拠し、ハードウェアに依存せずに相互運用性を確保できる。これにより、通信事業者が自社でRANを展開する際に、異なるベンダーからハードウェアを調達できる柔軟性が得られる。
「Maveric」はセルラーネットワークの最適化アルゴリズムを開発、評価できるプラットフォームだ。AI(人工知能)/ML(機械学習)アプローチを活用し、現実に近いセルラーネットワークを再現し、最適化アルゴリズムの効果を実証できる。
Metaのエンジニアリングディレクターであるシャー・ラーマン氏は、次のように述べている。
「これらの技術をLF Connectivityに寄贈することで、他の企業がこれらのプロジェクトに参加し貢献することが可能になる。地球規模でつながりやすさの問題が改善されていくことに期待している」
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