OpenAIは、大規模言語モデル(LLM)の「GPT-4」および「GPT-3.5」ファミリーの最新モデルをリリースし、「Chat Completions API」への関数呼び出し機能の追加などのアップデートを紹介した。
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OpenAIは2023年6月13日(米国時間)、自然言語やコードを理解し、生成できる大規模言語モデル(LLM)の「GPT-4」および「GPT-3.5」ファミリーの最新スナップショットモデルをリリースし「Chat Completions API」への関数呼び出し機能の追加などのアップデートを紹介した。
現在、限定β版であるGPT-4は、GPT-3.5よりも高性能で、より複雑なタスクをこなせる。チャット用に最適化されているが、Chat Completions APIを使用した従来の補完タスクでも良好に機能する。GPT-4ファミリーの標準モデルは「gpt-4」だ。一方、GPT-3.5ファミリーの中で最も高性能でコストパフォーマンスの高いモデルは、「gpt-3.5-turbo」だ。このモデルもチャット用に最適化されているが、従来の補完タスクでも良好に機能する。
gpt-4とgpt-3.5-turboそれぞれの最新スナップショットモデルである「gpt-4-0613」と「gpt-3.5-turbo-0613」では、開発者が関数を記述し、これらのモデルにその関数を呼び出す引数を含むJSONオブジェクトを出力することをインテリジェントに選択させられるようになった。これは、外部のツールやAPIでGPTの機能をより確実に利用できる新しい方法だ。
これらのモデルは、ユーザーの入力に応じて関数を呼び出す必要がある場合、それを検出し、関数のシグネチャに準拠したJSONで応答するように微調整されている。開発者はこうした関数呼び出しにより、モデルから構造化データをより確実に取得できる。例えば、以下のようなことが可能になる。
GPT-4ファミリーでは、gpt-4-0613に加え、「gpt-4-32k」モデルの最新スナップショットである「gpt-4-32k-0613」もリリースされた。
gpt-4-32kは、gpt-4と同じ機能を備えるが、4倍のコンテキスト長を持つモデルだ。gpt-4-0613とgpt-4-32k-0613は、関数呼び出しに対応したアップデートと改良が施されている。
GPT-3.5ファミリーの最新スナップショットであるgpt-3.5-turbo-0613は、関数呼び出しに対応したアップデートと改良が施されている他、システムメッセージを用いてより確実な操作性が実現されている。
GPT-3.5ファミリーには、新たに「gpt-3.5-turbo-16k」モデルが加わった。このモデルはgpt-3.5-turboと同じ機能を備えるが、4倍のコンテキスト長を持ち、価格は2倍となっている。16kのコンテキストは、このモデルが、1回のリクエストで20ページ程度のテキストをサポートできることを意味する。
gpt-3.5-turbo-16kの最新スナップショットモデルである「gpt-3.5-turbo-16k-0613」もリリースされた。
GPTモデルの更新ルールに従い、gpt-4は2023年6月27日(最新スナップショットモデルのリリースの2週間後)に、これまでの「gpt-4-0314」から最新のgpt-4-0613に更新される。gpt-3.5-turboも同日、これまでの「gpt-3.5-turbo-0301」から最新のgpt-3.5-turbo-0613に更新される。gpt-4-32kも、最新モデルに更新されることになっている。
OpenAIは、同社の「Embeddings」モデルとして最も人気のある「text-embedding-ada-002」について、トークン当たりの価格を75%引き下げた。また、同社の最も人気のあるチャットモデルであるgpt-3.5-turboの入力トークン当たりの価格も25%引き下げた。
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