クラウドのサービスは日々進化しており、レガシーなサービスは一定の猶予期間後に廃止されます。Microsoft Azureでは2023年8月31日に、多くのレガシーなサービスやオファーが廃止されました。その前後にも、注意すべきサービスやサポートの廃止が実施、または予定されています。
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Microsoftは「Microsoft Azure」のサービスやオファー(仮想マシンの種類、SKUプランなど)を廃止する場合、少なくても1年前までにアナウンスします。影響を受けるリソースがある場合は、「Azureポータル」や電子メールによる通知で知ることができます。
影響を受ける場合、すぐに対応すれば問題はないのですが、1年以上の猶予があると先送りしてしまい、気が付いたときには廃止ということにもなりかねません(画面1)。あるいは、廃止予定が延長されることもたびたびあります。
2023年8月31日には、以下のサービスやオファーが廃止されました。
NVIDIA GPUを備えたAzure仮想マシン(VM)のNC、NC v2、ND、NVシリーズは、当初は「2022年8月31日」に廃止される予定でしたが、その後、さらに1年延長されていたものです。廃止されると、影響を受けるAzure VMは割り当て解除状態にされ、起動できなくなります。
廃止後コンピューティング料金は発生しませんが、ストレージに対する課金は継続されることに注意してください。実際の廃止措置は「2023年9月6日」(おそらく協定世界時《UTC》)に予定されています。
本連載第133回では、「Azure VM(クラシック)」は2023年3月に廃止予定とお伝えしましたが、その後、6カ月延長され、「2023年9月1日」に廃止となります。こちらも、完全な廃止は2023年9月6日に予定されています。
2023年8月25日に、「Azure Kubernetes Service(AKS)」において、Kubernetesバージョン1.24のサポートが削除されました。
AKSでは、Kubernetesの各バージョンのサポートが1年という短いライフサイクルで終了します。AKSを利用する場合は、Kubernetesのバージョンのサポートが終了する前にアップグレードするように、あらかじめライフサイクルとリリース予定を把握しておくことが重要です。
Microsoft AzureおよびMicrosoft製品のサポート終了予定については、複数年先まで公開されているため、定期的にチェックすることをお勧めします。
2023年と2024年の終了予定については、以下のサイトで確認できます。1年後の2024年8月には、“クラシック”タイプのクラウドサービス、ストレージアカウント、ネットワークサービスの廃止が予定されており、これで「Azure Service Manager(ARM)」ベースのレガシーなサービスは完全になくなる予定です。
岩手県花巻市在住。Microsoft MVP 2009 to 2024(Cloud and Datacenter Management)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows版Docker&Windowsコンテナーテクノロジ入門』(日経BP社)、『ITプロフェッショナル向けWindowsトラブル解決 コマンド&テクニック集』(日経BP社)。
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