@ITはキャリア意向調査を実施した。それによると20〜40歳代の読者が転職で改善したい要素は「給与面」で、次に転職するときには「勉強会、コミュニティーでの紹介」を使いたいと考えている人が多かった。
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テレワークの普及により、場所を選ばすに働けるようになった。それに伴い「どのようにキャリアを構築するか」を改めて考え直す人も多いだろう。そこで@ITはキャリア意向に関する読者調査を実施した。20〜40歳代の読者の回答から見えてくる「最新のキャリア意向」とは。
これまでの転職経験について聞くと「転職経験がない(就職したことがない、を含む)」が45.9%、「転職経験がある」が54.1%であり、おおよそ半分に分かれていた。転職経験がある人に転職回数を尋ねると「1回」が24.8%、「2回」が16.3%、「3回以上」が13.0%だった。
転職意向については、「転職を考えている」という割合は合計36.2%だった。内訳は「時期は未定だが将来的に転職を考えている」が最も多く、22.4%。次いで「1年以内の転職を考えている」が6.9%、「現在転職活動中」が4.3%、「半年以内の転職を考えている」が2.6%と続いた。
転職を考えている人にその理由を尋ねると、最も多かったのは「給料に不満がある、収入が少ない」(51.4%)だった。2位以下はほぼ同率で「スキルアップができない」(25.1%)、「漠然と将来に不安がある」(25.1%)、「考え方や企業風土が合わない」(24.0%)、「仕事がつまらない、仕事内容を変えたい、飽きた」(23.5%)などが並んだ。
転職経験者に「転職で利用した方法」を尋ねると、「転職サイトなどの求人広告への応募」(90.5%)、「求人情報誌」(84.9%)、「人材紹介会社」(81.5%)、「転職サイトで企業や人材紹介会社からのスカウト」(78.2%)などの回答が多かった。利用したことのある転職関連のサービスのトップ3は、転職支援サイトでは「doda」「リクナビNEXT」「マイナビ転職」、人材紹介サービスでは「doda」「リクルートエージェント」「パソナキャリア」、人材派遣/フリーランス案件紹介サービスでは「パソナ」「アデコ」「レバテックフリーランス」だった。
一方、「次、転職する際に使いたい方法」を聞いたところ、「勉強会、コミュニティーでの紹介」(92.6%)、「ヘッドハンターからのハンティング」(82.9%)、「友人知人の話(紹介)」(71.4%)などが挙がっており、利用したことのない転職方法を望む人が多いことが分かった。また、「転職希望企業への直接応募」「Facebook」「X(旧Twitter)」などは“利用したことがある”と“今後利用したい”で差が小さく、転職での満足度が高い利用方法だったと推測する。
ビジネス環境は急激に変化しており、エンジニアに求められる役割は増えている。そんな中で、キャリアの方向性については「エンジニアとしてスキルを高めたい」が45.5%でトップだった。ただ、「事業部門でビジネスに携わりたい」(18.7%)、「エンジニアとしてマネジメントに携わりたい」(17.9%)、「経営に携わりたい、起業したい」(13.4%)など、技術だけにとらわれず、さまざまな可能性を検討していることが分かった。
日々の業務が忙しくてスキルアップができない、意図していない仕事(技術を志向しているのにマネジメント職など)をしなければならないなど「思うようにいかない」と感じることは多いだろう。自由回答においては「10年後のキャリアイメージがつかめない」「マネジメントを求められているが技術から離れたくない」といったどちらかといえばネガティブな意見もあった。
ただ、「マネジメントなどを経験し、社会人としての幅を広げたい」「1人で多くのことをこなせるエンジニアを目指している」などのポジティブな意見や、「スキルアップは一生続くと思うので知識習得が大切」「やりがいやモチベーションが上がる働き方の構築が必要」など建設的な意見も目立った。また、「今の仕事は楽しいかどうか」を聞いたところ、過半数(61.8%)が「楽しい」と答えた。こうしたことから、働く上で悲観的な要素はもちろんあるが、前に進もうとしている人は多いと考えられる。
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